採用
2023/01/23
コロナ禍の就活を、どう乗り越えた? KDDI内定者の「ガクチカ」大公開!
今年就活をする学生は、大学入学時から新型コロナウイルスが蔓延し、授業はオンラインになり、サークルやアルバイトといった活動が制限され、"ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)のエピソードが作りづらい"と言われる世代です。実際に、コロナ禍で『自己PRに困る』と回答した学生は「47%※」と半数近い結果となり、前年と比べて9%増えています。
その中で、KDDIの内定者たちは、一体どのように就職活動を乗り越えたのでしょうか?
2023年4月入社予定の内定者3名にお越しいただき、本音で語ってもらいました。3名の「ガクチカ」の作成方法や、就活のターニングポイントもお聞きしたので、ぜひ就職活動のヒントにしてみてください。KDDI新卒採用担当メンバーからのメッセージも必見です。
※産経ニュース「コロナ禍の就活「ガクチカ」どうする 不安抱える大学生」内のアンケート調査結果
目次
■インタビュイー略歴
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吉田 賢人さん
- WILL※:アカウントコンサル(法人営業)コース内定
学生時代は、サッカー部にマネージャーとして入部し、主務兼学生トレーナーとして活動。大学サッカーで日本一を獲るため、部内に新たな役職(学生トレーナー)を立ち上げるなど、選手のケアとチーム作りに邁進した。
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日高 萌々子さん
- OPEN※:業務系コース内定
大学ではオーケストラ部に所属。コロナ禍で初めての演奏会を開催するにあたり、電子チケットを導入したり、演奏会の様子を配信するなど、持ち前のアイデア力でチームを牽引した。
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西山 千翔さん
- WILL※:ソリューションエンジニアコース内定
大学から始めた競技ダンスにおいて、自らの課題を客観的に洗い出し、それを克服するための戦略を実行する粘り強い努力の結果、関東甲信越大会で優勝を収めた。
※KDDIでは、入社前に初期配属領域を確約できる「WILLコース」と、希望と適性を踏まえて配属を決定していく「OPENコース」の2コースで、コース別採用を行っています。
重要なのは、エピソードの強さではない
ガクチカの内容はどんなものでしたか?
西山:私のメインエピソードは、大学から始めた競技ダンスの活動です。競技ダンスは、男女ペアで踊る芸術スポーツなのですが、一番の課題は、長いダンス歴を持つライバルたちにいかに打ち勝つかということでした。
経験の差を埋めるためには、練習方法を工夫するしかないと考え、優勝レベルの人と自分のダンスはどこが違うのかを洗い出したり、部活の枠を超えてアマチュアの大会に参加するなどして、自分の課題を見出しては潰すように、練習と経験を積み重ねました。こうして粘り強く努力をし続けることで、関東甲信越大会で優勝することができました。
日高:私は、年に3回あるオーケストラの定期演奏会を総指揮する役割だったのですが、コロナ禍なのでこれまでの運営方法では開催できません。そこで、自分なりに考えて実行したエピソードをガクチカにしました。
具体的には、会場にお客さまを入れられないので、プロミュージシャンが使っている生配信の会社にアマチュアとして初めてお願いして、オンラインで開催しました。電子チケットも導入し、今でも後輩に引き継がれています。また、実は運営資金がなくて過去1年以上定期演奏会ができていなかったのですが、資金を集めるためにクラウドファンディングのプラットフォームを作りました。
吉田:私は、高校時代に大きな怪我をして1年ぐらいサッカーができなかった時期に、色々な人が支えてくれたことがありました。それは、何も見返りを求めていないのにやってくれていて、自分もそういう人間にならないといけない、それを学ぶために怪我をしたんだと思い、選手からサポートする側へのシフトを決意しました。
大学でサッカー部に入部してからは、チームに怪我人が多いと感じ、戦力として誰かが抜ける状況を減らさないと勝てない、と思っていました。自分は怪我人の気持ちも分かるし、優勝に向かってサポートしたい。そこで、自らがトレーナーになることこそ、自分がこのチームに貢献できる唯一無二の存在価値だと考えました。
ところが、サッカー部の伝統校ということもあり、幹部は変革に前向きではありませんでした。まずは、同期に認めてもらうべく、毎日オンラインでトレーニングを指導したり、スポーツ医学や解剖学の専門家からご厚意で学ばせていただき、知識を身に付けました。また、AからCチームまであるすべてのカテゴリーの練習に参加して、怪我人が出たら対応できるようにしていました。
最後には、若いコーチを巻き込んで、監督・幹部に約4000字の資料でプレゼンをして「そこまで言うならやってみろ」という回答を得られ、活動を始めてから約2年でついに学生トレーナーとして認められました。
コロナ禍での就活だったと思いますが、ガクチカのエピソードをまとめるのに苦労しましたか?
西山:ガクチカとしては、コロナ禍になる前から始めていた競技ダンスや短期留学、コロナ後でも研究活動の発表や長期インターンの経験があったので、エピソードには困りませんでした。ただ、“ガクチカで重要なのは、エピソードの強さではない”と思っています。
そもそも、企業がガクチカを聞く理由はなんだろう?と考えてみると、“何かを成し遂げました”という結果だけでは決してなくて、“活動の中で、自分なりにどこに課題を見出して、どんな手法で解決して、その結果どんな成果を上げたのか”を聞きたいのだろうと思います。その上で「だから、入社後はこんな活躍ができます」という流れが大事です。業界を問わず、ガクチカを聞かれる時は、大体この構成が一致していると思います。
日高:コロナ禍は一見、逆境に見えるんですけど、ガクチカは“自分が逆境をどう乗り越えたか”をエピソード化していけば良いので、私は逆に書きやすかったですね。コロナ禍だから何もできないじゃなくて、コロナ禍だからこそ自ら行動を起こすことが大事だと思います。
吉田:私の場合は、「サッカーで日本一になる目標を必ず達成するために、自分は今のチームに何ができるんだ?」ということを常に考えて活動していたので、結果としてガクチカにつながっています。
どう課題を見つけ、どう壁を乗り越えたか
このエピソードを選んだ理由を教えてください。
日高:すごく考えたと言うより、これしかないという感覚です。西山さんの言う通り、エピソード自体も大事だけど、“何が課題で、どう乗り越えたか”をよく聞かれていたので、課題を自ら解決して、成功に導いた経験が大事だと思います。
だから、課題を見つけて乗り越えた経験であればどんなエピソードでも良いですし、私の場合、それに一番マッチするのはコロナ禍という逆境を打破した定期演奏会の経験しかないと考えて選びました。ただ、企業によっては「他にもガクチカはありますか?」と聞かれるケースもあるので、エピソードは複数用意した方が良いと思います。私は、インターンシップでSNSマーケティングを実践したエピソードも話したりしました。
西山:最近、後輩から「アルバイトのエピソードしかないから、ガクチカのオリジナリティが出しにくい」と相談されることがあるのですが、アルバイトの内容云々ではなく、課題への取り組み方でオリジナリティを出していくことが重要なんじゃないかと伝えています。また、企業ごとに求めているニーズが異なるので、それぞれに応えられる自分の強みをアピールできるガクチカが複数あることが理想だと思います。
ガクチカはどのようにまとめましたか?
日高:友人に読んでもらって「理解できる?」というやりとりを何度かして、分かりやすいガクチカを意識しました。「定期演奏会って何回あるの?総指揮って何をするの?」など、分かりにくいポイントを客観的に知れたので、ブラッシュアップできました。
西山:私は、過去に書類選考を通過された先輩方のエントリーシートを参考にして、“共通点は何だろう?”と抽象化していった結果、最適なガクチカの構造を作ることができました。それが、先ほどもお伝えした「どう課題を見出し、どうやって乗り越えて、その経験をどう会社で活かせるか」という構造です。この流れをベースにガクチカをまとめていきました。
吉田:私も構造を整理した上で、メンターに相談しながら「本当に伝えたいことは何か」という要素を強めていきました。さらに、“自分の感情や思考を入れる”ようになってから、すごく良くなりました。人が感情に動かされるのは、きっと就職活動も同じです。その時、自分は嬉しかったのか、悔しかったのか、書類でも面接でも意識して入れ込むようにしました。ある会社からは、「このガクチカは、ここ数年でトップクラスだよ」と言っていただくなど、結果にも繋がっていきました。
就活中の焦り、悔しさがターニングポイント
就職活動中のターニングポイントは?
吉田:夏のインターンに全部落ちた時です。正直やばいと思いましたし、部活をやりながら時間を作ることに、本気で向き合い始めました。早くから就活をしていたものの、夏までは面接すらできなかったのが、秋から冬にかけては、エントリーシートで落ちることがなくなりました。
意識して変えたのは、“ガクチカを構造的につくること”、“感情を入れること”、“強みも志望動機も一貫させること”です。また、どんなことでも“死んでも諦めない”という思いでやっていたので、選考で落とされても「やってやろう!」と思っていました。
日髙:私は、就活のスタートが遅かったので、3月末に友人が内定もらったと聞いて焦りを感じたのが転機でした。「きっと、どこかに受かるだろう」と当初は緩く就活をしていたので、ちゃんとやんなきゃ!と気持ちを切り替えられたのは、その友人の内定報告がきっかけでした。
西山:私は、ライバルの実力に圧倒された経験が、ターニングポイントになりました。外資系コンサル企業も多く受けていたのですが、グループワークでのファシリテーションやアイデア出しの部分で、彼らとの差をひしひしと感じました。
「その差を埋めていかないと、志望する企業に入れないぞ」と自分の課題出しと、習得のための努力に具体性を持って取り組めたのが、良い転機になりました。思えば、競技ダンスでやってきたPDCAを回す方法で、就活にも臨んできた気がします。
就職活動を振り返ってみていかがでしたか?
西山:一言で言えば、楽しく勉強になりました。選考の中での他大学の学生との関わり合いは純粋に楽しかったですし、グループワークやディスカッションを通して刺激をもらうことが多かったからです。また、OB訪問をさせていただいた社会人の方々との交流も、自身のキャリア観を築き上げる上で非常に参考になりました。
吉田:私は就活を通して、良いことも悪いことも自分の中で消化して、次に進むことの大切さを学びました。また、面接やOB訪問などを通して多くの企業の方々と出会えたことは、貴重な経験だったなと感じています。
日髙:こんなにも自分自身と向き合い、自分を見つめ直す時間は、非常に貴重な時間だったと思います。将来自分がなりたい姿や携わりたい仕事など、目標を見つけることができたため、これから社会人になって世の中に貢献できることが楽しみになりました。
就職活動中の後輩へメッセージをお願いします!
吉田:就活は、“自分が納得したかどうかが大事”だと思います。思った通りの結果かどうかよりも、納得できるくらい向き合えたかが大切です。そして、今、目の前にある部活などに一生懸命取り組むことが、就活にもつながります。一生懸命向き合っていれば、きっとご縁があって、自分で納得できる時が来ると思います。そのために、今、どれだけ頑張れるかです。
日髙:コロナ禍でも逆境を活かせないか、チャンスに変換できないかと模索してほしいです。自分から能動的にアクションすると、逆境はチャンスになります。何より、行動を起こすことが大事です。
また、就職活動は自分の将来を決める大事な期間なので、早い段階から開始できると良いと思います。そして、最初は上手くいかないのは当たり前です。たくさん書いて、たくさん落とされながら、フィードバックをいただいて、求められていることを把握しながらガクチカを組み立てていってください。
西山:就職活動は、“就職であり、就社ではありません”。会社の規模や知名度よりも、入社した先の未来が大切です。自分が誇りを持てる仕事ができるか、これから成し遂げたいことに向かっていけそうか、そこに軸足を置いて進んでいってほしいです。皆さん一人ひとりが納得して就職活動を終えられるよう祈っています。頑張ってください!
ガクチカを通して、皆さんが働くシーンをイメージ。何よりも、一貫性が大事
■新卒採用担当メンバー
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小林 真理奈
- 人事本部 人財開発部 新卒採用グループ
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秋山 直也
- 人事本部 人財開発部 新卒採用グループ
【新卒採用担当から就活生のみなさんへ】
小林:コロナ禍になって以降、「ガクチカが作りづらい」という学生の声をお聞きすることが増え、就職活動の一助になればという思いで、内定者の皆さんとの座談会を開催させていただきました。
"ガクチカ"と聞くと、学生さんは「全国大会に出場」などの大きな成果があるエピソードが必要だと考えている方が多いのかなと思っています。
もちろん大きな成果があるに越したことはないですが、KDDIでは、成果だけでなく、皆さんが目標に向けて、どんなステップで何を課題として捉え、どんな工夫をして乗り越えたかのプロセスを含めて、お聞きしたいと思っています。
そのエピソードから、この人は仕事の中でも、きっとこのように乗り越えてくれるのだろうなと想像しながら、私たちは面接をしています。言い換えると、皆さんのガクチカをお聞きしながら、働いているシーンをイメージしているようなものです。
秋山:ガクチカで見ているのは、“その人ならではの強み”です。本当にその人が持つ強みであれば、きっと他のエピソードでもその強みが出ているはずです。何を聞かれても、結局は同じ強みが出てきてしまう。それが、本当の強みで、自ずと一貫性が出てくるものだと思います。
ガクチカをお聞きした後に、「なぜ、そういう考え方になったのか?」「そのエピソードに似た経験は、以前にもありましたか?」とお聞きするケースも多いのですが、それはその強みが本当の強みなのかをお聞きしたいからです。何よりも、本当のあなたらしさを知りたいと思っています。
ぜひ、この座談会での内定者たちのコメントを参考に、あなたらしいエピソード・強みと向き合ってみてください。