採用
2023/10/25
【25新卒】夏期インターンシップ:ネットワークインフラエンジニアコース -短波送信体験コース-
KDDIでは夏期インターンシップを5コース実施しました。そのうち、ネットワークインフラエンジニアコースでは今年から新たに『短波送信体験コース』『衛星通信体験コース』の募集を開始しました。
8月28日から行われた『短波送信体験コース』では、日本唯一の短波国際放送送信所として80年の歴史を持つ"KDDI八俣送信所(茨城県古河市)"で5日間の業務体験を行いました。実際にどんな体験が出来たのか、インターンに参加された学生と、カリキュラム作りに携わった社員に伺います。
目次
■インタビュイー略歴
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【社員】
齊藤 稔充 - エンジニアリング推進本部 運用管理部
KDDI八俣送信所 所長
1995年入社。
モバイルの基地局建設、運用統括業務、保守保全全般を経験し、2021年 八俣送信所長として着任。現在は短波国際放送送信業務の設備の保守・保全、運用の全体統括を担当。
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【参加学生】
古御堂さん - 大学年次:修士1年
専攻:情報科学専攻
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【参加学生】
安田さん - 大学年次:修士1年
専攻:工学専攻
日本唯一の海外向け短波送信を現場体験
八俣送信所で扱う短波送信とは?
齊藤所長:八俣送信所では、世界各地に短波によるラジオ国際放送を送信しています。
約100万㎡という広大な敷地に、この放送を担う設備があり、24時間365日、この短波送信を絶やすことが無いよう守ることが我々の使命です。
本インターンではどんな体験ができますか?
齊藤所長:5日間を通して、短波送信を体験出来る内容とするため、初日に施設見学を行い、2~4日目に各種実習を行いました。
【1日目】
約100万㎡(東京ドーム22個分)を有する八俣送信所内の各種設備を1日かけて見学
【2・3日目】
300kW大出力送信機の点検や大型コンデンサの交換を体験
地上5mに位置するアンテナ切替装置の高所点検を体験
【4日目】
マンホールに潜り込み、地中にある高圧ケーブルの点検を体験
ラジオを製作し、八俣送信所が送信している短波放送を受信
【5日目】※東京都多摩市へ移動
日本の通信の歴史からKDDIの最新技術までを学ぶことが出来る「KDDI MUSEUM」見学
インターンの振り返りを、KDDI多摩センタービルにて実施
イチオシのカリキュラムを教えてください
齊藤所長:『空中線設備の高所点検』です。現場メインの職場でも、高所作業の体験まではなかなかできないと思います。作業者は四点止めのフルハーネス安全帯を着用し、地上5mに位置する切替装置の点検を行います。八俣送信所では地下のマンホールから高所にある空中線までの広い範囲を保守していることを知って欲しかったです。
▲フルハーネス安全帯を着用(黒ベルトとフック)
カリキュラムを通じて学生に感じて欲しかったことはありますか?
齊藤所長:参加している学生の皆さんにも伝えたことですが、KDDIの中でも泥臭い現場があることを知ってもらいたかったですね。そのために、座学よりは、実際に手足を動かして“八俣送信所でしか出来ない体験”を届けられるようにカリキュラムを準備したつもりです。日本唯一の海外向け短波送信所で、その使命感ややりがいが伝わっていたら嬉しいです。
▲空中線設備点検中の様子(古御堂さん)
【参加学生に聞いてみた!】インターンシップで得られたこと
▲古御堂さん
どのようなきっかけで本インターンシップに参加されましたか?
古御堂さん:大学の研究では、低軌道衛星に搭載するためのアンテナ設計を研究しているので、アンテナや通信に関することに興味がありました。研究分野に近い山口の衛星通信体験コースか、短波送信体験コースかで迷いましたが、“日本唯一の短波送信所”という点に惹かれ、こちらのコースを選びました。
安田さん:私も高専時代からずっと無線通信に関わる研究をしていましたが、その中ではシミュレーションを行うだけでした。そこで実践ではどのように無線通信が用いられているのか知りたいと思い、無線通信系のインターンに参加しようと思いました。
▲安田さん
インターンでの学びや気づきがあれば教えて下さい。
古御堂さん:研究に活かせそうな学びがありました。私はアンテナの研究を行っているので、設計しているアンテナ以外にも色々な種類について知りたいなと思っていました。その点においては、送信所で使っているカーテンアンテナや、対数周期アンテナなど、具体的に現場で用いられているような多種多様なアンテナについて学ぶことが出来たので、自身の知見を広げられたかなと思います。
安田さん:インターンに参加して感じたのが安全対策の厳重さです。現在、私が研究で使っている通信は非常に小さい出力を扱っているため、実際の危険性が全然体感できていなかったのですが、現場の作業を体験させていただく中で、二重三重の念入りな安全対策を目の当たりにして驚きました。
また、社員の皆さまも、座学での説明は優しく穏やかでしたが、いざ作業になると空気が変わり、真剣かつスピード感を持って、対応されているのが印象的でした。技術者の実務スキルは違うところを体感できて良かったです。
▲送信機点検中の様子(安田さん)
古御堂さん:私も設備点検時の安全確認の慎重さは印象的でした。やはり非常に大きな電力の送信をしているということで、もし、その送信機が動いている状態で活線に触ってしまった場合、すぐに命に関わる問題になってしまうそうです。何重にも安全対策をかけて人命を最優先に考えているという姿勢が一番印象に残りました。
本インターンを後輩のみなさんにもお勧めしますか?
古御堂さん:ぜひ勧めたいです!日本唯一の国際向けの短波放送を担っている送信所で現場体験できるチャンスなんてまずないと思いますし、就活云々を抜きにしても、短波に興味がある方は是非参加して欲しいと思います。また、無線通信に関する基礎的な部分を学び直せる機会でもあったので、もう一回基礎を洗い直したいという方にもお勧めできます。
▲ラジオ製作中の様子(左:古御堂さん 右:安田さん)
世界を繋ぐ短波送信に興味がある方をお待ちしています!
最後に、齊藤所長から本インターンに興味を持つ学生に、一言お願い致します。
齊藤所長:学生の皆様は我々の仕事を、外注が多くて旗だけ振っているというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはないです。
まずは我々が運用し、守り続けている短波送信所を見に来てください。そして、そんな日本唯一の海外向け短波送信を一緒に担って行きたいと思っている人、現場の泥臭さを好んで真のエンジニアとして働きたい人を歓迎します!
今年度の「衛星通信体験コース」(KDDI山口衛星通信所)は後日掲載予定です。
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