採用
2023/09/25
【海外拠点で活躍する!エンジニア座談会】
社会インフラから企業の課題解決まで、海外で働くエンジニアの魅力に迫る
KDDIは、世界60都市以上でサービスを展開しており、海外拠点で多数のITエンジニアが活躍しています。同じITエンジニアでも国ごとにニーズが異なるため、社会インフラの構築から企業のITソリューションまで業務内容はさまざまです。この記事では、キャリア採用でKDDIに入社し、フィリピン、インドネシア、タイの現地法人に勤務する3名の社員に海外拠点勤務のリアルを伺い、「KDDI×海外」ならではの仕事の魅力を紐解きます。
目次
■インタビュイー略歴
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西村 佑太
- KDDI Philippines所属。新卒で国内大手IT企業に入社し、無線通信系システムエンジニアに。アフリカでSI事業に従事し、現地スタッフのマネジメントや異文化コミュニケーション、現地日本人コミュニティでの対応を経験した後にKDDIへ。フィリピンにおける、トンネルや地下鉄のIT設備など、ODA案件のプロジェクトマネージャとして活躍中。
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池田 雅
- KDDI Indonesia所属。国内大手IT企業で、パブリッククラウドの開発業務を経て、KDDIへ。KDDI Indonesiaの技術部門責任者として、総勢約50名のエンジニア組織を統括しつつ、システム導入を提案するプリセールスのマネージャ業務なども兼務。自身の強みを活かし、インドネシア国外のお客さまに対してもITソリューションを提供している。
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和才 雄貴
- KDDI Thailand所属。前職では、セキュリティ対策ソリューションを提供する企業に在籍し、セキュリティ最大手企業のセキュリティソリューションプロバイダーでのプロダクトマネージャを担当。KDDIに入社した現在は、KDDI Thailandのマネージャとして、プリセールス業務やDXソリューションのビジネス構築などを担当し、日系企業だけでなく、現地タイ企業などにもお客さまを拡大させている。
KDDIの魅力は、「海外×○○」で挑戦できること
皆さんが、KDDIを選んだ理由は?
西村:KDDIに転職する前は、電機メーカーで通信系のエンジニアとして、アフリカで勤務していました。この「海外」×「通信」という二軸で転職活動をして、希望にマッチしたのがKDDIです。しかも、KDDIは事業が「通信」に留まらないという点も決め手の一つでしたね。
池田:KDDIを選んだというよりも、ジョブディスクリプションで選びました。転職先選びのポイントは、私も2つありました。1つ目が、以前、シンガポールで働いていた時期があったのですが、この海外勤務の経験を活かせること。2つ目が、開発部門からフロント部門へ業務を切り替えて、お客さまに直接ソリューションを提案できるポジションであることです。その両方を叶えられるのが、KDDIでした。
和才:KDDIは3社目なのですが、1社目は日本のメーカーで、東南アジア域内でのビジネス拡大を担当していました。2社目では、アメリカのサイバーセキュリティなど、最先端のITソリューションを日本市場に広める仕事でした。これらの経験を経て、海外で地に足をつけて、海外市場のニーズに応えるITソリューションを具現化したいと思ったのが、KDDIに入社した大きな理由です。
西村:私がいるフィリピンは、開発途上国として、日本政府による開発援助(ODA)事業が多数進行しています。特に、道路や地下鉄などの建設が多いのですが、交通インフラには必ずIT設備を組み入れます。例えば、長い線路に沿って光ファイバーのケーブルを埋めたり、電車の運行状況を監視できるCCTVというカメラシステムを多数設置するなど、案件はさまざまです。
企業に対するシステムインテグレーションにイメージは近いですが、私はより大規模なプロジェクトを担当しています。マネージャとしてプロジェクト全体を進行するので、予算管理や現地メンバーの雇用計画などに加えて、エンジニアとして技術面も管理しています。
他には、日本の現地法人に対するIoTソリューションの提案や、SI案件の日本語対応サポートもしています。
池田:KDDI Indonesiaでは、インドネシアにおいて事業を展開されているお客さまへ、ITインフラ構築や業務システムなど、さまざまなサービスを提供しています。
私自身は、技術部門の責任者として、プリセールス部門・プロジェクト(構築)部門・メンテナンス部門に在籍する、総勢約50名のエンジニア組織を統括しています。KDDI Indonesiaの事業計画を達成するための施策立案・実行・KPIモニタリング、エンジニアリングサービスの提供品質や価値を向上させる施策の実施、人材育成などが主な業務です。
加えて、日本人エンジニアとして、提案から構築までの案件対応をすることもありますし、セミナーなどでスピーカー対応も行っています。
和才:私も、業務内容は池田さんと近いですね。主な業務は3つあって、1つ目が「プリセールスとプロジェクトマネジメント業務」です。ある製造業のお客さまの案件で、グローバルネットワークを構築するプロジェクトを3年ほど、管理・進行しています。日系企業なのですが、バックボーンネットワークを全世界の拠点で入れ替えて、大きなグループ会社の通信を1つに統合するというビッグプロジェクトです。私がいるタイには60拠点あります。
2つ目が「DXビジネスの構築」です。私のチームには10名ほどのメンバーがいるのですが、その中にいるIoTの専門家たちを中心に、タイや日本のスタートアップ企業と連携して、サービスの企画を進めています。
3つ目は「デジタルマーケティング」です。今、KDDIが東南アジアを中心に注力している「DX」「ゼロトラスト領域」「IoT」といったITソリューションについて、デジタルマーケティングを駆使して市場に発信し、新規開拓をしています。
日本とは違うポジションとスピード感で、率先して大きなプロジェクトを推進
KDDIの海外勤務はどんな印象ですか?
西村:海外の現地法人では、日本人の役割が国内にいる時と違うように感じます。どちらかと言うと、プロジェクト全体を統括するポジションの仕事が多い印象です。若いうちから大きな組織をマネジメントでき、非常に良い経験ができていると思っています。池田さんはいかがですか?
池田:私はエンジニア組織全体を見ていますが、お客さまにエンジニアリングサービスを提供する際の提供品質や納期を守るという意識が、日本とは違うなと感じますね。一方で、「みんなが寛容でポジティブ」という点は、すごく良いなと思っています。お客さまも同じ感覚で、こちらを信頼して任せてくれるので、仕事が進めやすいですね。
和才:日本でも同じだとは思うのですが、海外ではより「推進力」が必要だなと、私は感じます。組織も大きくはないですし、誰かが仕事を振ってくれる訳でもありません。自ら率先して動くことに、やりがいを感じる方が向いている気がします。この、ある意味の自由さがあるのは良いなと思っています。
達成感ややりがいは、どんな時に感じますか?
西村:幅広いSEの業務の中でも、営業と一緒に提案した案件が成約した時は、非常に嬉しいですね。ODAは規模がすごく大きいので、チームメンバーと協力しながら、人材のアサインやスケジューリング、進行管理を長期に渡って実施していく必要があります。その長期プロジェクトが計画通りに遂行された時は、やはり達成感を感じますね。飲みに行きたくなります(笑)
池田:西村さんと同じように、プロジェクトを完遂した時もそうですし、お客さまから「この仕組みを導入して、楽になったよ」と評価いただいたり、「同じ仕組みをフィリピンやベトナムなど、他の拠点でも始めたいからサポートしてほしい」と相談されたりすると、嬉しいです。
和才:自分が起案したことや仮説を検証して、大きな成果に繋がった時や、現地の社員や他国と連携して進める大きなプロジェクトを完遂した時は、達成感を感じますね。
また、ITソリューションを導入いただく際に、「機能だけでなく、対応が良かったから決めました」と言っていただいた時は、とても嬉しかったです。
自分の得意領域を活かし、海外拠点のビジネスを拡大できる
業務ではどんな苦労があり、どう乗り越えましたか?
池田:私は入社した当初に、KDDI Indonesiaが取り組んでいたビジネスと、自分がエンジニアとして経験してきたビジネスにギャップを感じて、「困ったな…」という印象はありました。私は元々、クラウドとアプリケーションのエンジニアだったのに対し、実際の案件は、物理サーバやネットワーク機器などが大きな比重を占めていました。
ただ、自分の得意な領域でビジネスを推進しようと考えていた頃、コロナの影響でお客さまの働く環境が大きく変わり、結果的にクラウドサービスのビジネスを大きく拡大できました。
それと同時に、各メンバーのスキルを活かしたチーム編成に変え、お互いの弱みを補いつつ、強みを高め合うような組織にすることで、乗り越えることができました。
西村:池田さんのお話にも近いのですが、私は前職で無線をメインに取り扱う通信エンジニアでした。それが、KDDIに入社して技術的な領域が一気に広くなったことで、課題が山積みになっていました。
ただ、入社してからリモートで研修を受けたり、池田さんや和才さんなど海外勤務の方と意見交換できたりする環境があるので、とても助かりました。技術や知識を増やしたい時に、社内の誰に聞けば良いか次第に分かってきて、課題を克服できた感じです。
和才:私も、初めの頃は社内人脈がない点に苦労しました。あと感じたのは、前職とKDDIのカルチャーギャップですね。KDDIは、良くも悪くもすごく慎重なので、当初は物事が進みにくい印象がありました。これに関しては、時間をかけて一つひとつ「なぜ、これが必要なのか?」を起案して、形にしてきました。先ほどお話しした、デジタルマーケティングの事業もその一つです。
KDDIならではの印象に残っている業務は?
西村:やはりKDDIというと、日本でのイメージから“通信・インフラ”というキーワードでお声掛けいただく機会が多いのですが、その流れでフィリピンの国の交通インフラの通信環境整備などのプロジェクトに参加しています。
通信という、KDDIの日本でのコアなビジネスがあってこその案件だと思います。
池田:現在、クラウドサービスの領域がKDDI Indonesiaの一つの強みになっていて、KDDIの他拠点から支援要請を受けて、提案から構築、保守まで請け負うことがあります。これまでの実績としては、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、カンボジア、ベトナム、フィリピン、インド、UAEといったお客さまのIT環境をリモートで構築しました。
このように、KDDIの他拠点と連携しながら、ALL KDDIでお客さまへサービスを提供できるのは、全世界に拠点を持つKDDIならではの強みだと思います。
和才:池田さんと同じように、他拠点と連携するプロジェクトでは、KDDI×海外ならではのスケールの大きさを実感しますね。タイにおいては、日系企業の現地法人がメインのお客さまだったのですが、タイの大きな財閥企業との案件が決まった時が、すごく印象に残っています。KDDIがタイの現地法人を設立して以来、初めてのローカル企業との契約なので、嬉しかったですね。スーパーマーケットやコンビニエンスストアの売上分析や在庫管理など、POSシステムの自動化を構築するプロジェクトです。
自己成長や成果を実感できるから、今後も海外で活躍したい
休日の過ごし方は?
西村:子どもがまだ小さい上に双子なので、休日は子どもと過ごしています。双子はほぼフィリピンで育っているのですが、フィリピン人の方と接する機会も多く、日本語よりタガログ語を話し始めました(笑)
池田:インドネシアはお客さまとの距離が近く、気軽に食事やゴルフに行くこともあります。また、現地でできた友人の家族と一緒に旅行や釣りに行くなど、家族ぐるみの付き合いが多いのは、海外ならではだと思います。
和才:プライベートでは、日本人以外のコミュニティに積極的に参加するようにしています。あと、タイではハプニングが付き物ですね。例えば、飲食店で注文したメニューの4品中3品を間違えるなどは、日常茶飯事です。私はもう、苛立ちは捨てようと決めています(笑)
▲西村さん、休日にお子さんとプールへ
▲池田さん、お子さんとコモド国立公園のパダ-ル島へハイキング
▲和才さん、現地の仲間とのビーチバレー大会
今後のキャリアプランや、チャレンジしたいことは?
西村:今、担当しているODAの交通インフラの業務は、KDDI海外拠点の中でもフィリピンならではだと思います。他の国、特にアジアには同じような需要が多々あると思いますので、フィリピンでのODA業務のノウハウを活かして、横展開していきたいです。
池田:今後のキャリアとしては、基本的には海外でこのまま継続して働きたいなと思っています。今はインドネシアですが、最低もう一か国はチャレンジしたいですね。海外勤務はプレッシャーも大きくて、本当にやることも多いですけど、自分が取り組んだ成果をダイレクトに実感できる点は、海外ならではの大きな魅力だと思います。
和才:同感ですね。私も、海外のキャリアを今後も続けようと思っています。10年ぐらい前の東南アジアは、日本から見て少し遅れている印象があったかも知れませんが、今はそうではありません。インドネシアも、ベトナムも、タイも、サービスレベルは日本とほぼ変わらないのではと感じることが、本当に多くなりました。
また、海外に身を置くことで、日本とのギャップも知れて、自己成長も実感できるなと思っています。今後は、プロジェクトを実行推進する今の立場から、より大きな戦略を考えるポジションを目指したいです。KDDIには社内副業制度があるので、自分で社会貢献ができそうな事業を立ち上げることにも挑戦したいです。