技術・サービス
2022/09/21
お客さまの課題を先端技術で支援。KDDIのDXコンサルティングの可能性
ドローンやメタバースといった最先端技術をはじめ、多様なアセットを駆使したDX支援でさまざまな業界から注目を集めるKDDI。その中でそれぞれの知見を活かして活躍するDXコンサルタントのお二人に、これまでの経験と業務内容、DXコンサルティングの今後の目標をお伺いしました。
目次
■インタビュイー略歴
-
齋藤 圭
- DX推進本部 DX・IoTソリューション部4グループ チームリーダー
2020年入社
日系通信企業にて、ネットワークエンジニアとしてクローズドネットワークの設計・開発に従事。その後、外資系コンサルタントファームでクラウドジャーニーのコンサルタントを経験し、2020年DXコンサルタントとしてKDDI入社。
-
濱口 卓也
- DX推進本部 DX・IoTソリューション部4グループ
2020年入社
日系通信企業にて、主にスマートフォンの商品開発部署でプロジェクトマネジメントを経験。その後、日系自動車メーカーでコネクテッドサービスに関わる研究開発に従事し、2020年法人向けIoTシステム開発のPMとしてKDDI入社。
総合通信事業者として幅広い領域にチャレンジできる環境
転職のきっかけや、KDDIに興味を持った理由を教えてください。
濱口:一社目ではスマートフォン、二社目では自動車のコネクテッドサービスに関連する新サービスを開発する業務に従事してきました。その中で、成長過程のビジネスでパフォーマンスを発揮したい自分の思いが強まり、もう少し早いスパンで結果の出せる業務に興味が湧きました。
また、KDDIは多岐にわたる事業領域、技術領域を持っていることが魅力だったことと、IoT回線数の実績を公表し、法人のソリューション事業に非常に力を入れていると感じたため興味を持ちました。
齋藤:勤務時間など、ワークライフバランスを見直したいと考えたことがきっかけです。
前職では、大企業の基幹システムのコスト削減などを通して、ビジネスの流れを加速させるフレーム設計が主な業務でした。刺激的な環境でやりがいもありましたが、かなり忙しくしていたのでプライベートな時間を取れずにいました。
KDDIにいる知り合いから「KDDIは労働環境が整っている」という内情を聞いていたのと、自分としては「もう少し現場に即した仕事をしたい」という思いが強まっていたところ、KDDIがDXコンサルタントを募集していたため、自分の力を拡大できると考え応募しました。
入社の決め手になったことはなんですか?
齋藤:事前に聞いていた通り、KDDIの労働環境が合っていたことが大きいです。また、面接時にKDDI内でコンサルティング部隊を創出するというチャレンジングな環境であることも伺い、学びや新しい経験が豊富だと感じたことが決め手になりました。
濱口:前職の経験を活かしつつ、技術力を身につけたいと考えていたので、通信インフラとしてさまざまなことにチャレンジできる環境に惹かれました。私はIoT関連ポジションでの採用でしたが、組織変更に伴いDXコンサルティングを担う現在の部署へ異動となりました。社内外から注目される部署にいられることが、個人の成長や達成感、モチベーション維持につながると感じています。
現場の課題解決から構想支援まで幅広い業務を担当
▲DXコンサルタントの業務フロー
DX・IoTソリューション部はどのような業務を行うのでしょうか?
齋藤:現在大きく2つの業務内容があります。
1つ目は、KDDIの持つ5GやIoTなどの商材や、ARISE(KDDIとアクセンチュアの合弁会社)、ALBERT(KDDIのデータ分析を担うグループ会社)などのAIベンダー、KDDIスマートドローンなどのDXに係るグループ会社のソリューションを結集させ、お客さまの課題を共に解決し、実行するプロダクトマネージャー(※1)とプロジェクトマネージャー(※2)双方の役回りがあります。現在は、こちらが約8割と主力になっています。
※1)プロダクトマネージャー:お客さまのプロダクトのビジョンや事業戦略の立案からビジネスモデルの作成、プロダクトの実現、リリースまでの全工程に責任を持つロールのこと。
※2)プロジェクトマネージャー:プロダクトマネジメントのソリューション部分の開発等のプロジェクトの計画、管理、終了の一連の工程に責任を持つロールのこと。
2つ目は、要件・要求定義以前のお客さまの事業構想などの課題に関して、コンサルタントとして構想を描く「構想支援」があります。こちらは、DX・IoTソリューション部の中でも比較的新しい取り組みであり、一部のメンバーがバーチャルチーム的に業務に携わっています。
濱口:基本的にはアカウント営業部署を通して、私たちがスペシャリスト、コンサルタントとして入っていきます。DXに対しては情報収集段階のお客さまが多いため、事業構想を含めてソリューション事例をお伝えするなどのコンサルティングを打ち出しています。
齋藤:5Gは単なるインフラではなく、「大容量」「低遅延」「多接続」といったお客さまのビジネスに影響を与える要素になってきています。KDDIの強みである5Gを中心に、AI・IoTなどのソリューションと絡めて構想を練ることは、通信会社として価値のある業務だと考えています。
現場を熟知し、高い視座をもったコンサルティングを
お二人は、どのような業務を行っているのですか?
齋藤:業務は多岐に渡るため、一概には説明しづらいのですが… 私は主に物流業界のDX案件を担当しており、直近では、物流倉庫にKDDIの5G基地局と4Kカメラを設置し、イレギュラーな場所に物が置かれているとAIが感知して管理者に通知する、といった5GとAIを組み合わせたシステムを導入しました。これにより、作業者が不要なものをどける等の無駄な作業がなくなったことで、作業効率が上がり、思わぬ事故を未然に防ぐことができるようになりました。
この案件では、お客さまと議論をしながら約半年間、ユースケースの作成と修正を繰り返しました。お客さまの中に解があるわけではないので、何度も倉庫に足を運んだり、現場の課題感を聞いたりしながら、取り組みの方針を整理していき、お客さま幹部からGOを出していただいた時は大きな達成感を感じましたね。
前職では、現場に行って直にプロダクトを理解するという経験がなかったため、度々認識に齟齬が生じていましたが、現在は実際に現場でお客さまと直接会話をし、今後の事業構想をふまえた理想の姿を描いていく、ということをしています。やはり、得られる情報量やコミュニケーションの取りやすさはレベルが違うなと実感しています。
濱口:私は、製造業がメインなのですが、補助金を活用した地方自治体の案件も増えています。コンサルタントとして、提案活動や実証実験などのフェーズが主となっているので、私自身は正直、前職では経験のなかった分野になります。
数あるコンサルタント業務の中でも、DXコンサルタントは、お客さま要件が固まっていない中で、新しい技術を活用したソリューションをゼロから検討し、お客さまの戦略に合った形で実行まで伴走して、長く関係性を築いていきます。ですので、プロジェクトマネジメントのスキルであったり、課題解決までの手順や合意形成を図るといった汎用的なスキルは活かせていると感じています。
齋藤:私や濱口さんのように、技術者としてのベースがありながら、バックボーンが異なる人材が多いこともDXコンサルタントの特徴ではないでしょうか。例えば、最近話題になるスライシング技術(※3)は、5Gのモバイル側だけでなく、コアネットワーク側の仮想化技術の知識も必要になるため、私の場合は一社目でエンジニアとして従事したNFV、IP-VPNでの設計・開発経験が活きています。
また、濱口さんも仰ったようにDX案件ではお客さまの要件を待つのではなく、プロダクトを理解し、お客さまの課題を共に解決する能力が必要となるので、コンサルとしての経験も活かせます。
現場を熟知した上で、高い視座をもちプロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントができる人材は、今後さらに求められていきます。プロフェッショナルな方々が社内にいることも大いに刺激になりますし、先端技術をバックボーンにビジネススキルを身につけられるKDDIの環境は、とても新鮮で充実しています。
※3)スライシング技術:サービスに応じて、ネットワークの各種リソースを仮想的に分割し、複数の独立したネットワークを構築する技術。これにより、ブロードバンドサービス、IoTサービス、超低遅延サービスなど、特性の異なるユースケースに応じて、柔軟なネットワーク提供が可能となる。
濱口:KDDIで特に感じることは、相対する業界や技術領域の幅の広さですね。どんなビジネスであっても、戦略・企画・開発・運用というフェーズがありますが、そのすべてを1つの組織かつ個人で同時に経験できることに魅力を感じています。私個人としては、狭く深くよりも幅広く知見を深めたいタイプなので、そういう思考の持ち主にはぴったりの職場だと思います。
リアルと現実を融合させる、新たな取り組みを支援
部署としての今後の目標をお聞かせください。
齋藤:部署としては、KDDIが掲げている「サテライトグロース戦略」の通り、事業構想から5Gを中心としたKDDIのソリューションによる実行部分まで、KDDIがオールインワンで推進し、お客さまのビジネスや業務を大きく変革する。それによって、双方の大きな価値に繋がるリカーリングビジネスを目標としています。
現在は、先端技術を活用したコンサルティングも増えてきています。
例えば、メタバースを利用した観光に関わる地方自治体などからのご相談です。現地に行かなくても博物館の展示を見られるデジタルミュージアムなどが既にありますが、さらに広範囲な山をメタバースで体験できないか?など、リアルとダイレクトにつなげるものとなると課題も多いのですが、可能性を感じています。
個人としての目標はありますか?
齋藤:DXの難しい部分は、例えば5Gであれば「大容量高画質動画の送信」が業務改善において具体的にどうワークするのかという点です。経営層はクラウドやメタバースというワードに興味を示すものの、現場レベルの業務に落とし込むイメージの共有でつまずくことが多いと感じています。丁寧にユースケースを示しビジネスに結びつけるためにも、プロダクトマネジメントスキルを積み上げ、より大規模な案件を構想し、遂行できる人材になりたいですね。
濱口:コンサルティングで終わらせるのではなく、開発・運用・出口戦略までの長期間お客さまと伴走し、サービスを提供できることがKDDIの強みだと思いますので、それを活かせるスキルを身につけたいです。
個人的には、社会にDXが浸透することで生まれる余剰時間で「世の中をもっと楽しくしたい!」という思いがあります。将来的にスポーツやエンタメ領域でも活躍できる人材としてのキャリアを実現していきたいと考えています。