採用

2022/08/23

アパレル機器メーカー元社員が語る。アパレルDXで目指すサステナブルな世界

アパレル機器メーカー元社員が語る。アパレルDXで目指すサステナブルな世界

5Gを活用し、日々新しいビジネスを模索するKDDI。なかでも最先端技術を駆使したDX支援は、さまざまな業界から注目を集めています。DX支援の1つであるアパレルDXでは、アパレル業界の課題、特に商品の大量廃棄に着目し、企画開発を行っています。今回は、アパレル業界やイベント事業におけるシステム開発の経験を活かし、XRを活用したDX支援を担当する藤倉さんにお話を伺いました。

目次

■インタビュイー略歴


藤倉

藤倉 皓平

事業創造本部5G・xRサービス企画開発部
2020年入社
新卒でニット編み機メーカーに入社し、アパレル業界向けデザインシステムの販売促進やアプリの企画開発に携わる。その後、ソーシャル・ネットワーキング・システム運営会社に転職し、リアルイベント向けシステムの開発ディレクションに従事。KDDI入社後は、クリエイティブチーム「au VISION STUDIO」にてXRを活用したアパレル業界のDX支援を担当。

転職のきっかけは「世の中の王道が変わった」こと

転職のきっかけは「世の中の王道が変わった」こと

まずは、藤倉さんのこれまでのキャリアをお聞かせください。

大学2、3年生のころにファッションに興味を持ち始め、アパレルやファッションでいろいろと面白いことができるんじゃないかと、自分で画像処理を活用したアパレル向けのシステムを研究していました。プロトタイプの開発などをしながら、大学でも大学院でもアパレルに関する論文を書きました。

新卒では、ニットを編むための「横編機」という機械をグローバルに展開しているメーカーに入社しました。社内ではデザインシステムという形で、服の3Dシミュレーションの開発も手がけていて、私はそのシステムを使ったXRサービスの開発やシステムの販売促進などを担当していました。

その後、少しアパレルからは離れ、ソーシャル・ネットワーキング・システムを運営する会社に転職し、イベントシステムの開発を担当していました。例えば、イベント入場時のQRコードや、入場と同時に配るリストバンドにクレジットカードの機能をつけて、お客さまが商品を購入する際にピッとかざすと決済が終了する、などといったシステムの企画や開発ディレクション、プロジェクトマネジメントをしていました。

KDDIを受けようと思ったのはなぜですか?

2020年に入り、コロナ禍でリアルなイベントができなくなり、イベントの内容ががらっと変わってしまいました。企画していたものが頓挫するなど、イベントだけでなく世の中の「王道」が急に変わったことを実感しつつあるなかで、リアルとデジタル両方のお客さまに新しい体験を提供できるようなアプローチをしたいと考え、転職活動を始めました。

XR技術など先端技術に興味があって、KDDIはそれらをリアルとデジタルの両面に対して提案しているんです。サッカー場や球場の全体を3Dで撮影して、360度回して見られる技術など、私も知らなかったさまざまなテクノロジーを活用した取り組みがあり、面白そうだなと思いました。

また、ニット編み機メーカー時代にも手がけていたアパレル業界向けのXRサービスが、5Gを核にすることで規模を大きくして展開できるのではないかと感じたことも大きいです。テクノロジーの力で、日本のモノづくりを応援したいという私の思いとKDDIの方向性も合致していました。

KDDIに入社を決めた理由を教えてください。

一次面接と最終面接に、今私が所属している5G・xRサービス企画開発部の部長がいらっしゃいました。びっくりしたのですが、部長もエシカルファッション(*2)に対しての意識が非常に高い方だったことが幸いして、話が盛り上がりまして…面接でも後押ししてくれた感があります(笑)。面接段階から具体的なディスカッションをさせていただけたことで、安心して入社を決めることができました。

Google Cloud(*1)との協働で話題になった「XRマネキン」を担当

Google Cloud(*1)との協働で話題になった「XRマネキン」を担当

所属部署ではどんな業務を担当していますか?

アパレル業界をターゲットに、XRサービスの企画提案や必要なプロダクトの研究開発の企画・マネジメントをしています。

アパレルでは企画段階で3〜4回サンプルを作るのですが、採用に至らなかったものは廃棄され無駄になります。こうした無駄をなくすために、スマートグラスをかけると企画時の服を着たバーチャルヒューマン「coh」というモデルが出てきて、回り込んだり近づいたりすると実物がなくても製品情報がリアルに感じられるプロダクトを開発しました。
このようなアパレル業界の工程を通信の技術で刷新する「アパレルDX」の取り組みは、近年注目されている”サステナブルなモノづくり”にも繋がっています。

そもそもなぜアパレル業界ではDXが進んでいないのでしょうか。

理由はさまざまですが、一つは“硬さ”ですね。自動車や家電など、DXが進んでいるプロダクトは素材が硬いんです。一方、服は風が吹けば揺れるし歩けば揺れる。同じ柔らかさでも、シルクと重いニットでは全然動きが違うんです。服にとってはこの素材感が重要であり、表現が難しいところでもあります。

そこで、KDDIではクラウドレンダリングという技術を使って、リアルな生地をデジタルで見られるようにアプローチしています。2022年5月にはGoogle Cloud(*1)と協力し、WEBブラウザ上で動き、店舗サイネージやスマートフォンなどのさまざまなデバイスで、商品を360度好きな角度から確認できる「高精細XRマネキン」を開発したのですが、こちらは社内外で話題になり、とてもやりがいを感じました。

通常、スマホのスペックによっては高精細な3DCGはスムーズに動かないことがありますが、クラウド上で3DCGをシミュレーションして生成した映像を5G通信で展開することによって、どんなスペックのスマホでも同じように揺れ感や素材感を伝えることができます。アパレル業界向けにクラウドレンダリングを推進している企業は、現時点ではKDDIだけじゃないでしょうか。

Google Cloud(*1)との協働で話題になった「XRマネキン」を担当

他に推進を検討している取り組みはありますか?

環境省が出している「SUSTAINABLE FASHION」によれば、アパレル業界は原材料調達から製造段階まで国内だけでも年間約90,000ktのCO2を排出しています。また、大量生産によって売れ残った衣服のほとんどが埋め立てか焼却によって処分されており、廃棄段階でもCO2の大量排出が環境に大きな負荷をかけています。

これまでの取り組みでは企画時のサンプル試作や店舗販売でのDXをメインに進めてきましたが、本当にサステナブルな産業構造にするためには需要に合った生産量にする必要があります。一部だけでも需要予測による生産量のコントロールや、予約販売による受注生産にシフトチェンジできれば、大幅な環境負荷の軽減に繋がります。 「カーボンニュートラルの実現」というKDDIの社会的な目標の実現のためにも、積極的に進めていきたいです。

予算から企画まで、裁量の大きさがKDDIの魅力

予算から企画まで、裁量の大きさがKDDIの魅力

入社後すぐにご活躍できた秘訣はどこにあるのでしょう?

これまで培った知識やスキルを即戦力として発揮できるか、正直不安はありました。ただ、アパレルDXに限らず、「au VISION STUDIO」には驚くほど多種多様な案件が次から次へときますので、悩んでいる暇がないんです(笑)。

また、プロジェクトにおける一人ひとりの裁量が大きく、予算管理からビジネスモデルの構築・プロダクトの企画開発業務などのさまざまな経験ができるのは、スピード感のある成果につながりやすいですし、キャリア形成においても大きな魅力だと感じています。

キャリア採用の方も多く、チームの雰囲気がとてもいいので、今後は他部署やつながりのある企業をうまく巻き込み、大きな事業を創出していきたいですね。社会にインパクトを与える事業を実現できるところが、KDDIならではの魅力ではないでしょうか。

アパレルDXの推進には人材育成が大切

アパレルDXの推進には人材育成が大切

現在のアパレルDX事業を含め、今後の目標を教えてください。

近年はメタバースやVTuberの浸透によって、3Dでバーチャルサンプルを製作できる潜在的な技術者が増えているなど、DXはアパレル業界以外のトレンドとも密接に関わっています。アパレルに限らず、DXによって一朝一夕で課題が解決できるものは多くはありません。だからこそ、同時に人材育成をする必要があると考えていて、私たちが進めるアパレルDXでは、服飾系専門学校との連携も具体的に進めています。

例えば、学生に向けたXRサービスを使った展示を行ったり、実際に学生さんが企画・デザインしたものを3DCGにして展示したりするなどして、「サステナブルなモノづくり」を実感していただく啓蒙活動をしています。こうした業務の一環として、先日、文化服装学院で講義を担当させていただく機会があったのですが、学生さんが多種多様なメディアを使いこなしていることに、私の方が勉強させていただきました。

こうした経験も「au VISION STUDIO」ならではのことですが、さまざまな領域にチャレンジして、世の中をワクワクさせるようなモノづくりに一生関わっていきたいですね。

(*1) Google Cloud は Google LLC の商標です。

(*2) 環境問題をはじめ、労働問題や社会問題に配慮して生産・販売を行うファッション



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