採用

2024/09/30

お客さまへの最適な提案を求めて。
営業企画と技術が連携して新システムを開発!

お客さまへの最適な提案を求めて。<br />営業企画と技術が連携して新システムを開発!

KDDIの膨大な仕事を支えるのは独自開発する業務システムです。販売促進活動を展開する営業推進と技術を担う情報システムという異なる部署が連携し、販売販促を目的とする新システムが開発されました。営業推進の企画担当と情報システムの技術者がいかに連携し構築を実現したのか、3名のプロジェクトメンバーにお話を伺いました。

目次

■インタビュイー略歴


筒井 啓太

筒井 啓太

パーソナル事業本部 パーソナル第1営業本部 営業推進統括1部 エキスパート
2015年新卒入社。販売代理店さま向けのパートナーコンサル(代理店)営業として、北海道旭川市での勤務を経て、営業施策の企画を担当。電話による見込み顧客への営業企画の担当者として本プロジェクトに参加。
小山 真澄

小山 真澄

パーソナル事業本部 パーソナル第1営業本部 営業推進統括3部 販売促進1部
2019年新卒入社。名古屋市のauショップ勤務を経て、販売代理店さま向けのパートナーコンサル(代理店)営業職に従事。2023年から現職。販売店運営や販売代理店営業の経験を積み「マイプレミアショップ」のメールによる販売促進の企画担当者として本プロジェクトに参加。
村田 敏輔

村田 敏輔

コア技術統括本部 情報システム本部 DXシステム1部
2021年キャリア採用入社。前職はSierに勤務し、ITサービスマネージャー職としてシステムの運用保守全般を担当。2021年12月にKDDIへキャリア入社して現職。社内SEとしての要件定義や障害対応などを経験。本プロジェクトではシステム開発のリーダーを務めた。

2000店舗、数万人が利用するシステムを構築

2000店舗、数万人が利用するシステムを構築

まず、新システムはどのようなものなのか教えてください。

筒井:新システムは、2つの顧客管理システムを統合したものです。従来、auショップの販売店では、お客さまへ販促活動を行うツールとして、電話による「販促システム」とメールによる「顧客管理システム」を活用してきました。電話のシステムは約10年前に、メールのシステムは約15年前に運用が始まっています。販売店は約2,000店舗ありますから、数万人規模のスタッフが使うとても重要な業務システムです。

ただ、課題もありました。異なるシステムを利用していることからひとりのお客さまに対して複数の販売店からご案内を差し上げるケースがあり、好ましくない状況であると社内からも改善を求める声が上がっていたのです。数年前から、ひとりのお客さまに対してひとつの販売店からアプローチするべきだ、という議論が行われていたことから、電話とメールの顧客管理システムを統合することが決まりました。

小山:これによってお客さまと販売店が1対1で紐付けられるようになり、つながりが深くなることを期待しています。お客さまには、自分の担当の販売店により親近感を感じていただけると思います。また、KDDIでは収集したデータに基づき経営判断を行う「データドリブン経営」を推進していますので、新システム開発はその一環と言えるでしょう。

村田:また、従来の顧客管理システムが収納されていた自社サーバーからクラウドへ移行することが決まったこともあり、技術的な側面からも開発する必要がありました。

本プロジェクトは、KDDI社内で営業推進部や販売促進部、オペレーションサポート部、DXデザイン部、そしてシステム開発を担うDXシステム1部から参加する約10名で構成されています。販売促進の新たなシステムを構築する大仕事としては、従事する社員の数が限られていますので、風通しがよいと思います。加えて、社外からはシステム構築を担う開発パートナーも参画しています。

異なる要望を受け止め、技術者としての最適解を導く

異なる要望を受け止め、技術者としての最適解を導く

開発はどのように進められていったのでしょうか。

筒井:電話を使うシステムには不便な点がありました。例えば、電話をかける顧客リストとお客さまの個別情報が紐付けされていないので、お客さまと直接お話しをしていても、契約状況などを把握できないまま一般的なご案内するだけになっていました。本プロジェクトのキックオフ時には、こういった現行システムの不便な点をリストアップするとともに、どういったシステムを開発してほしいかを村田さんにお伝えしました。

小山:私はこの開発に携わる前は販売代理店さま向けの営業をしていましたし、その前は実際に販売店で働いた経験もありました。ですから、実際に販促活動をする販売店のスタッフやお客さまの声を把握し、より効率的に、効果的な販促活動ができるよう、改善点や要望を提案しました。

村田:おふたりから、それぞれ要望を受け取るのですが、私たちが作るべきは両方の販促機能が統合された「ひとつのシステム」です。電話とメール、それぞれの要望を聞きながらも、俯瞰した視点でシステムのあるべき内容を構築していくのが私の役割です。

心掛けたのは「要求が不明確なためできません」と突き放さないことです。「なぜできないのか?」「何を詳細化しないといけないのか?」を丁寧に伝えました。すると「確かにここが決まってなければ開発できるか判断できないよね」と理解してくれて、本当に必要な機能であれば必要な詳細を準備するために動いてくれました。

筒井:企画側から出すシステムの仕様などの要望が実現できない場合、村田さんはその理由をロジカルに伝えてくれてくれるので、論理的に会話ができて、とても助かっています。単に「無理です」だけだとどうしても反発したくなってしまうので。

企画と技術、それぞれの立場でスムーズに仕事を進めるために心掛けたことはありますか?

小山:私が心掛けたのは、販売店で実際にシステムを利用されるスタッフの現場目線で考え「なぜ、その機能が必要なのか」を丁寧にプロジェクトメンバーへ説明することです。特に、新たなシステムでの機能追加を検討する際には、具体的な現場での利用シーンを説明し、それぞれの機能の重要性を伝えることを心掛けました。そういったコミュニケーションはうまくできていると思います。

販売店スタッフに使用方法の説明をする小山さん

▲販売店スタッフに使用方法の説明をする小山さん、現場でどのように使われるか確認し利便性を追求します

村田:開発担当にも事情はありますが、やはり尊重すべきは販売店で実際に利用されるスタッフの方々の利便性です。ですから、私から見ておふたりの要望に違和感があっても、一旦は受け止め、きちんとコミュニケーションをするように心がけてきました。

そのやりとりを通じて、開発するシステムが現場でどのように使われるかの理解が深まることがとても重要です。要件が決まった後、開発パートナーに要件の詳細から設計、構築を依頼するのですが、私がすべての指示を出せるわけではありません。でも、それぞれの機能がどのような状況で使われるのかを伝えることができれば、実際に作業を行う方もそこを意識して構築できます。「使われ方の理解」は業務システムの開発ではとても重要だと思います。

認識の違いから生じる課題を社内で未然に防ぐ

認識の違いから生じる課題を社内で未然に防ぐ

企画と技術が連携するうえでどのような困難がありましたか?

筒井:私も小山さんも、技術部門のメンバーとシステムをゼロから開発するのは初めてです。技術部門とは、普段から一緒に仕事している訳ではないので、言葉の定義も異なることがあり、入念に確認する必要があると感じました。最初は「うまく噛み合っていないな」くらいの感覚ですが、それを解決しなければ、仕上がりの段階で大きな食い違いになりかねません。そこは気をつけて仕事をしてきました。

小山:例えば、メールの販促活動では「携帯・スマホのご購入契約が1年以上」など、メール配信対象者を設定するケースもあれば、販売店から全てのお客さまに送信する「全配信」もあります。新システムの管理画面について打ち合わせをしているとき、この「全配信」の項目がないことに気づきました。不思議に思って、村田さんに「全配信はどのように指定しますか?」と質問すると、「そういう概念ってあるんですか」と答えが返ってきたのです。私は販売店でのメール送信の具体的な内容を挙げながら、全配信メールが必要なケースを説明しました。そこから改めて現状のシステムの確認と実現したい内容の詳細を詰めていく整理を開始しました。

村田:言葉の認識の違いから生じた課題でしたが、開発パートナーに具体的な依頼をする前に気づけて良かったと思います。開発には社外にも数十人の方々が関わっています。作業が始まってしまえば工数が発生しますし、途中で変更となればさまざまな影響が出てしまいます。こういった課題は、事前に解決することが重要です。

企画と技術が連携するうえでどのような困難がありましたか?

村田:私はキャリア入社ですが、前職は開発を行う側の人間でした。当時は、「発注元の言うことは絶対」という意識だったので、言われた通りに作ることをミッションとしていたんです。けれど、実際は事業会社の指示がすべて正しい訳ではありません。今回の「全配信」のように前提が異なっていて問題が生じる場合もあります。

KDDIに入社してからは、事業の企画担当者から伝えられる言葉の断面だけを受け取るのではなく、「システム全体として大丈夫なのか?」を気にするようになりました。事業会社に入社したことで、事業会社の一員として一緒にシステムを考えられるようになったのは大きな変化です。自分のスキルとしても大きな収穫となりました。

前提を疑い、技術との連携で圧倒的な差別化を図る

前提を疑い、技術との連携で圧倒的な差別化を図る

今回のシステム開発の経験を、今後の業務にどう生かしていきたいですか?

小山:新システムの開発に携われたことで、販売店が使用するさまざまなシステムについて、「このシステムの意図はどこにあるのか」を改めて考えるようになり、担当業務への理解が深まりました。今回の経験を生かして、業務システムの疑問や改善要望については、より踏み込んで技術部門の方々とコミュニケーションしていきたいと思います。

筒井:本プロジェクトに参加できたことで意識が変わりました。販売店には数多くのシステムが導入されています。これまでは既存のシステムを使って業績を伸ばすことしか発想していませんでしたが、「果たしてこれが最適なのか」と前提を疑えるようになったと思います。通信キャリアは価格競争も激しく、新しい営業施策を打ち出しても、すぐに他社が類似の企画で追随してきます。技術部門との連携で新たな仕組みを構築できれば、他社が真似できない圧倒的な差別化を図れるのではと考えられるようになりました。

村田:今回、事業会社で新たなシステムをゼロから開発する体験ができたのは技術者として大きなキャリアになったと思います。企業の業務システムが安定的に整備されている今の時代にそんな体験ができたのは本当に貴重なことです。新システムは、社内でも20以上のシステムと連携していますので、その仕様をどのように整理をするか考えられたのは私にとっては大きな経験となりました。今後は、他社が真似をしたくなるが、真似できない独自性と利便性を兼ね備えたシステムの開発をしていきたいと思います。

この記事をシェア

Facebook LINE Twitter

RECOMMEND おすすめ記事

VIEW MORE

RANKING 人気記事ランキング