採用
2024/11/29
国内最大級のネットワークを武器に、AI・クラウド領域で世界に挑む
2030年に向けたビジョンとして「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を掲げるKDDI。モバイル、IoT、5Gなど多様なソリューションを通じ、さまざまな企業のDXを支援してきました。そして2024年2月、法人事業ブランド「KDDI BUSINESS」を展開。法人向けビジネスを強化する狙いとは、そこで発揮される強みとは──。法人事業領域で活躍する3名にお話を伺いました。
目次
■インタビュイー略歴
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中村 哲也
- ビジネス事業本部 プロダクト本部長
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來嶋 宏幸
- ビジネス事業本部 プロダクト本部 クラウドサービス企画部
クラウドサービス企画1グループ グループリーダー
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松本 知子
- ビジネス事業本部 プロダクト本部 プロダクト戦略部 AIサービス企画グループ
国内トップランナーとしてのネットワークを強みに、価値を生み、DXを加速
2024年2月、法人事業ブランド「KDDI BUSINESS」が展開された経緯と、その概要を教えてください。
中村:これまでKDDIは、「au」に代表される通信事業で培ったネットワークや技術力を生かし、法人のお客さまにモバイル、IoT、5Gなど多様なソリューションを提供してきました。とりわけ近年は生成AIを筆頭に技術革新が目まぐるしく、あらゆる企業がデジタル化を加速させ、生産性の向上や新しい事業モデルの創出を進めています。それに伴い、KDDIの法人のお客さまに対する期待も高まり続け、当社のビジネス事業部門も2期連続で成長を続けています。そのような背景に加えて、今後より一層お客さまからのご要望、ご期待に応えるべく、新たなビジネスの創出とビジネス共創拡大を目指す思いを込め「KDDI BUSINESS」を展開しました。
そして5月には、KDDI BUSINESSのもと、新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を始動させました。日本社会において労働力人口の減少やデジタル化の遅れなどが課題視される今、IoTやモバイルなどを組み合わせて業界別に最適化したネットワークの設計・構築、大規模計算基盤による企業間データの蓄積・融合・分析など、各業界に最適化したAIサービスやソリューションを提供することでお客さま企業のデジタル化を加速させます。
WAKONXというブランド名は「和魂洋才」がもとになっていて、海外の優れた技術を取り入れ、日本国内に向けた付加価値を持たせて最適化させたうえでお客さま企業にサービスを提供することを表しています。業界共通のフレームを作りお客さまのデジタル投資を抑える「協調領域」と、付加価値を高めるサービスを提供する「競争領域」の2つを加速させることがコンセプトです。
WAKONXにおけるKDDIの強み、独自性は何でしょうか。
中村:WAKONXは3つの機能群で構成され、通信事業で培ったアセットや技術を活用した「Network Layer」、AI・データ時代をつかさどる「Data Layer」、モビリティ、リテール、物流、放送、スマートシティー、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の6つのテーマにおいて業界課題や社会課題に取り組む「Vertical Layer」があります。
このうちNetwork Layerは当社最大の強みが生かされています。というのも、KDDIグループはIoT接続数が4,500万回線(2024年8月時点)と国内回線のトップランナーだからです。例えば、世界有数の自動車メーカーが開発するコネクティッドカーのネットワークを当社が担っているため、24時間/365日運用保守しながらドライバーにさまざまなサービスする、といったことが可能なのです。次にData Layerでは、当社が保有する世界中のデータセンターを活用することで、膨大なデータの蓄積・分析を進めています。
こうした当社独自のアセットを活用することでVertical Layerにおいて業界別の多様なDXソリューションの提供が可能になります。例えば物流業界においては、作業員配置の自動化・リアルタイムでの作業進捗を可視化する新サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」を提供開始しました。
すなわち、当社の最大の強みはネットワークそのものを提供している点にあります。国内のあらゆる業界の多数のお客さまとネットワークでつながっていること、これがワンストップで最適化された付加価値の提供につながっているのです。
大規模計算基盤に1,000億投資。AIなど先端技術を駆使し、世界に挑む
今後のKDDI BUSINESSにおける事業戦略を教えてください。
中村:今後ますます生成AIが社会に溶け込んでいくことが予想されるため、AIインフラを整えるべく、現在約1,000億円規模の設備投資によって大規模計算基盤やデータクリーンセンターの整備を進めています。そしてAIのオープンモデルを積極活用し、国内のスタートアップ企業とも連携しながら、日本語特化LLM(大規模言語モデル)や業界に特化したAIサービスの提供を目指しています。
目下の注力領域としては、「2024年問題」が指摘されている物流業界や、2024年2月に資本業務提携をしたローソンをはじめとするリテール業界でしょうか。従来デジタルBPOサービスを提供してきたこともあり、一層DXの加速を支援していく所存です。
KDDI の法人事業領域で活躍するためには、どのような素養が求められますか。
中村:何より、業界課題や社会課題を解決するという使命感、そして生成AIなどの新しい技術や専門知識を活用していこうとする向上心を持っていることです。私たちが展開する法人向けビジネスは、改革を伴い、前例のないチャレンジの連続です。多くの困難もあるなかで、社会貢献への高い志や挑戦心といったタフなメンタリティが必要とされます。
他方、特定の業界・業種経験は求めません。当社は、企業合併を行ってきた歴史もあり、異なるバックグラウンドを持った多種多様なメンバーが集結した組織です。私自身は海外拠点で長くキャリアを積んでいますし、外国籍のメンバーも多く、お互いに多様性を尊重し、協力し合うカルチャーが根付いています。業界・業種を問わず、皆さまの経験を生かして活躍できるフィールドだとお約束します。
KDDIの強みを生かし、国産のクラウドサービスを企画、開発する
クラウドサービス企画部の概要と、來嶋さんのご担当業務を教えてください。
來嶋:クラウドサービス企画部では、クラウドサービスのなかでもIaaSやPaaS領域のサービスを提供しています。部は4つグループに分かれるのですが、そのうち私が所属するクラウドサービス企画1グループのミッションは、KDDI独自のサービスによる価値提供です。業界や企業の課題をヒアリングし、社内の開発部門と連携しながら自社サービスの開発を手掛けています。
私の担当は、ハードウエアやインフラなどの基盤領域です。WAKONXにおいてはData Layerにあたり、プラットフォームの構造そのものを担うという点で重要な責務を担っていると考えています。
これまで手掛けたなかで特に印象に残っているプロジェクトはありますか。
來嶋:少し前の話にはなりますが、複数あるクラウド機能を1カ所にまとめる「クラウドストレージサービス」の開発、提供を行ったことです。さまざまなクラウドに重要データが散在しているという企業課題を解決するためのサービスなのですが、当時こういったサービスがまだ国内になかったのです。他社に追随してよりコストを下げたサービスを開発するという二番煎じの仕事ではなく、まさに新しい価値創造ができた貴重な経験です。企画フェーズから参画したこと、自身の意見や考えをサービスに反映できたこともやりがいにつながっています。
自らの意思を反映させ、新たなクラウドサービスを世界へ発信
來嶋さんのこれまでのキャリアについても教えてください。
來嶋:私はもともと法人ビジネスに興味があり、入社当初は法人プロダクト開発部門に配属されました。まずは法人専用の携帯電話やアプリケーションの開発を担当し、アジャイル開発などを経験した後にIT部門に異動し、しばらく社内用システムの開発のプロジェクトマネージャーとして従事してきました。
現在のビジネス事業本部には、社内公募制度を利用して異動しました。もう一度法人ビジネスに携わりたいと思い、自ら手を挙げたんです。制度としてやりたいことにチャレンジできる環境が整っているので、ありがたかったです。
ご自身が望むキャリアパスを描けるチャンスがあるのですね。これまでの経験は今どのように生かされていますか。
來嶋:自社向けとお客さま向けの双方の開発を通じて広い視点を持てたこと、また開発とプロジェクトマネージャーのいずれの経験もしたこと、これらすべてが現在のサービス企画業務に生かされています。
特にサービス開発において企画は上流工程を担っているといえます。開発フェーズでは「どうやって実装するか」と考えるのに対し、企画フェーズでは「そもそも何をつくるか」から考えるものであり、自身の思いをサービスに反映させやすく、また世の中へ打ち出したい思いを表現できるチャンスがあります。だからこそ、これまでの幅広い経験が生かせていると感じますね。
現在は生成AI用のGPU基盤の開発も手掛けているそうですね。
來嶋:はい。クラウドサービス業界はこれまでGAFAやMicrosoftなど海外のサービスが主体でしたが、生成AIの台頭によってトレンドが大きく変わりつつあります。過渡期にある今こそ、日本国産のサービスが業界をにぎわせるチャンスであり、すなわち当社サービスを大きく売り出す絶好のタイミングだと捉えています。
KDDIが有する国内屈指のネットワークは、クラウドサービスの開発提供において大きなアドバンテージです。かつ、AIの活用に不可欠な大規模計算基盤の整備も急ピッチで進めています。こうした強みを最大限に生かし、日本国内でもAI領域で世界と闘えるのだと力強くアピールしていきたいですね。
AIを駆使し、業界課題、社会課題を解決するブレーンとなる
松本さんの担当業務について教えてください。
松本:私は、法人向けAI関連プロダクトの企画や販売戦略を担当しています。WAKONXのVertical Layerの6つのテーマすべてにAIは深く関わっており、KDDグループはそのケイパビリティを結集させてお客さま企業のAI開発・導入を支援しようとしています。目下進めている大規模計算基盤の開発もその一環であり、GPU基盤の戦略策定にも携わっています。
プロダクト戦略部で手掛けたなかで、特に印象に残っているプロジェクトは何ですか。
松本:現在進行中の、東京大学・松尾豊教授の研究室発のスタートアップAI企業「ELYZA」との連携プロジェクトです。国内トップレベルのAI技術を持つELYZAと、ネットワークやクラウドといったシステムインテグレーションを幅広く提供するKDDIがタッグを組むことで、新たな価値創造に挑んでいます。
この2社は、企業規模が異なるだけでなく、文化も意思決定のスピードもまったく異なります。これらをすり合わせることは容易ではありません。今後、ELYZAの技術を当社のお客さま企業に販売できるようプロダクト化していくことを目指しています。国内トップレベルのAI技術者と会話できることで自身も大きく成長できていると実感します。
研修を活用しキャリアアップ。育児とキャリアを両立できる理由
松本さんは共働き家庭で、子育てしながら働かれています。働きやすさ、キャリア形成のしやすさについてどう思われますか。
松本:KDDIはキャリア支援に非常に力を入れていると思います。女性を特別視するのでなく、性別問わず誰もが成果を上げられ、かつ正当に評価される仕組みになっていますね。
実際、私はKDDIに在籍しながら産休・育休を取得し、新しい業務にチャレンジができています。出産後、忙しい毎日で自身のキャリアを見直す時間が取れないなかで、当時の上司から「AIをやってみないか」と声をかけてもらったんです。当時はAIの知識も経験もなく躊躇しましたが、社内研修プログラム(人財育成機関)「KDDI DX University」を受講できることになりました。このプログラムのおかげで業務時間内にAI技術を体系的に学び、ハンズオンの実習もあることから、実践的なスキルを身につけることができました。
このように当社にはキャリアを支援してくれる制度が豊富にあります。リモートワーク制度も柔軟に活用できますし、企業主導型保育園との提携サービスの導入など子育てをしながら思い切り働ける環境が整備されています。周囲には女性の管理職も増えていますし、男性が育休を取ることも当たり前になっていると感じますね。
最後に、仕事のやりがいを教えてください。
松本:私はもともとKDDI総合研究所で無線通信の研究員として従事していました。研究自体もとても面白いのですが、現在での業務では、新しい技術を生み出すだけでなく、そのサービスを市場に届けるまでを一貫して手掛けられることに大きなやりがいを感じています。
加えて、ネットワークを提供しているKDDIだからこそ多くの企業とタッチポイントがあり、多種多様な業界のお客さまとの日々の新しい発見があります。学びや成長には事欠かない、非常に恵まれた環境です。
出典:ビズリーチ 公募ページ「KDDI株式会社」(2024年10月13日公開)より転載
※所属・役職名等は取材当時のものです。