採用

2023/04/20

「情シス きつい」は本当? 数千万人の便利を支える、KDDIの情シスに迫る

「情シス きつい」は本当? 数千万人の便利を支える、KDDIの情シスに迫る

KDDIの情報システム部門では、数千万人が利用するKDDIのサービスを支える基幹業務を行っています。キャリア採用で入社した前職SIerの社員は、どのようにスキルを活かし、開発フィールドで働いているのか。KDDIで大規模なシステムを扱うお二人の業務内容とその醍醐味を伺いました。

目次

■インタビュイー略歴


下条 美緒

下条 美緒

情報システム本部 システムマネジメントサービス部 DevOpsグループ
デザイン系学科を卒業後、IT企業に入社しBtoBの基幹系システムの構築、設計、開発を担当。その後、SIerに転職し、プロジェクトマネージャーとして要件定義から開発設計などを担当。2019年、キャリア採用にてKDDI入社。
下野 聡子

下野 聡子

情報システム本部 基幹システム1部 開発4グループ
文系学部を卒業後、SIer2社で要件定義から設計、製造、プロジェクトマネジメントなどを担当。2020年、キャリア採用にてKDDI入社。

KDDIの全てのサービスの根幹となる、数百ものシステムを運用

KDDIの全てのサービスの根幹となる、数百ものシステムを運用

お二人は、入社前からお知り合いだったそうですね。

下条:実は、8年ほど前にKDDIの前身であるDDI、KDD、IDOの3社のシステムを統合するという大型プロジェクトに、私も下野さんもそれぞれ別のSIerから常駐の出向といった形で参画していたんです。100人ほどのスタッフの中で女性は6人と少なかったこともあり、所属する会社は違いましたが当時から意気投合していました。

下野:入社時期は少しずれているものの、同じプロジェクトでともに戦った戦友と8年ぶりに再会したという感じでしたね。振り返ると、当時のプロジェクトを経験したことは、自分にとって大きな転機となりました。その経験が「事業会社でより上流工程に挑戦したい」という思いを強め、KDDIへの入社につながりました。

お二人が所属する部署では、それぞれどのような業務を行っていますか?

下条:まず、私たちが所属する情報システム本部では、個人・法人のお客さまの携帯電話、固定電話、ネット、でんき等の申し込み、開通、契約、ポイントや決済などの各種サービス利用、情報管理、お問い合わせ対応など、多岐にわたる業務を提供するための数百ものシステムの開発と運用保守を行っています。

中でも私は、2023年1月に立ち上がったばかりのDevOpsグループに所属しています。DevOpsとは、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた最近のトレンドとなっている造語で、開発の段階から開発担当と運用担当が綿密に連携して、運用しやすいシステム開発を行う手法のことです。逆に言うと、これまでは開発してから運用方法を決めるということもあったので、より効率化し、開発スピードを上げられるようにするのが今後のミッションだと感じています。

業務としては、PontaポイントなどのKDDIが展開するポイント事業のすべてを管理するシステムの開発・運用保守業務を担当しています。

下野:私の所属する基幹システム開発4グループは、顧客管理システム および au、5G以降のUQ mobile契約情報管理システム、請求先管理システムなどの基盤の開発を担当しています。

結束力を武器に「24時間365日無停止」を目指す

結束力を武器に「24時間365日無停止」を目指す

具体的にどのような業務を担当していますか?

下野:まずKDDIの情報システム本部には、4半期に1度の”定期開発” という、開発・リリースの決まったタイミングがあります。改修を希望するさまざまな部門からエントリーされた事業案件を、本部内の企画部門が取りまとめ、各システム担当と調整し「どのように作るのか、どのシステムで作るのか」を決め、優先度付けをして開発を実施しています。

開発の実施が決定した後は、各システム担当者で要件を詰め、関係各所と調整をし、協力会社のSIerに発注します。設計/製造/テストの各種工程のレビューを行い、一か月半から二か月かけて、全システム合同での受け入れテストを行い、全システム同日にリリースに臨む…というのが基本的な流れです。

その中で私は、au IDや顧客情報、au IDログインを管理するシステムを担当しています。IDはすべてのサービスに紐づくため、サービスの追加や変更に合わせて改修を続ける必要があり、常にシステムの開発・改修に追われているといった感覚です(笑)。

それと並行して、各システムごとに運用保守や改善対応、設備更改など、個別の案件にも対応しています。

下条:私は、ポイントに関連するサービス提供に向けた定期開発や、改善対応・運用業務を行っています。基本的な流れは下野さんと同じで、業務部門からの新規サービス立ち上げに向けたシステム開発、あるいは既存サービスに対する機能改修の要望を受けたところが起点となります。
また、リリース以降の運用業務や、業務課題の対応も並行して行っています。

下野:IDもポイントも、数千万人の顧客情報を扱うため、社内外のいろいろなシステムと連携が必要なことや、とにかく「24時間365日無停止」という点がシステムのクリティカルな部分ですよね。

下条:そうですね。KDDIは、通信というライフラインに加えて、金融事業やエネルギー事業など多数のサービスを展開しているので、1秒たりとも止められない緊張感があります。

どのような部分に面白さ、やりがいを感じていますか?

下野:「絶対に止めてはいけない」とは言え、機器の物理的な劣化やバグは、完全になくすことはできません。そのため、何重にも予防策を講じる責任感と、「そこまでやっている」というプライドをチーム全体が持っていて、そうした”結束力”に私自身もやりがいを感じています。

下条:私たちの仕事は、裏側から支えることが基本ですが、ポイントサービスは生活に密着しているため、お客さまとのタッチポイントが多いと感じます。そこは、やりがいになりますし、何か起きたらと思うと怖い部分でもあります(笑)。

下野:分かります(笑)。自分自身もお客さまと同じように、KDDIのサービスを普段の生活で利用しているので、たとえばau IDのログイン時に一瞬でも不安定さを感じると、ヒヤッとしますね。

情報システム部門の“結束力”は特にどんな時に感じますか?

下野:特に感じるのは、システムをリリースする時です。KDDIには数百のシステムが存在するため、新たなシステムのリリースは、本部一丸となって臨む特別なイベントです。各システム担当やSIerなど、たくさんのチームが一堂に介して分刻みでスケジュールに沿った作業をしていくのですが、それぞれのシステムを担当するチームごとに色違いのゼッケンを着て、1つずつクリアしていく過程は、少しお祭り感があってドキドキします(笑)。大企業ならではのスケールなので、とても刺激的で面白いです。

下条:システムのリリース作業は、お客さまの利用が少ない深夜に行うのですが、無事切り替えが完了した時の達成感はたまらないですね!

私の場合は、以前Pontaポイントの統合事業を担当していた際に、当時所属していた10数名のグループメンバーでは到底手が回らない事案があり、情シス内に呼びかけ、有志を募ったことがありました。
いざ有志メンバーの集合時間が来ると、本部内の他システムの担当者がフロアに入りきれないほど駆けつけてくれて、純粋に「KDDIの情シスってすごいな。」と感じたことを覚えています。

やりがいや責任感を生む、社会的影響力の大きい仕事

やりがいや責任感を生む、社会的影響力の大きい仕事

今後のキャリアにおいて、目標や取り組みたい課題はありますか?

下野:直近では、自社システムの更改予定案件があるので、それを成功させることが目標です。大型システムの更改はリスクを伴うので、今からとても緊張しています。

長期的には、システム担当の経験が長いので、システムの知識を活かしつつ、サービス企画部門側に立って事業案件を企画したり、主導したりしてみたいなと思っています。

下条:私は、KDDIへ入社してすぐに、Pontaポイントとの統合という大きな案件に携わり、ずっとポイントシステムを担当してきました。これまでの業務経験を活かして、今後はお客さまにより近いところから、ポイントサービスの検討ができたらいいなと考えています。社会性、公共性の高い事業に携わる責任感と、担当したサービスが世に出た時のやりがい、達成感を感じながら仕事をしていきたいですね。

下野:私も仕事のクリティカルさ、社会への影響の大きさなど、今後もやりがいと責任感を強めていきたいです。
また、KDDIはバリバリ仕事をしていて尊敬できる人が多い一方、楽しくわいわいできる雰囲気があることも、新しいことに挑戦できる社風のベースになっていると思います。チームで協力するのが当たり前という雰囲気を私たちも受け継ぎ、育てていきたいと思います。

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