カルチャー

2023/05/25

自ら楽しみ、手を動かしてスキルアップ!
データ分析・自動化コミュニティ

自ら楽しみ、手を動かしてスキルアップ!<br> データ分析・自動化コミュニティ

今やKDDIの文化の一つになっているコミュニティ活動。本業とは別に社員の皆さんによってさまざまな分野の勉強会やイベントが運営されています。今回ご紹介するのは「データ分析・自動化コミュニティ」。気になる活動内容や参加することで得られた学びについて、運営メンバーの4名の方に伺いました。

目次

■インタビュイー略歴


中澤 昌美

中澤 昌美

エンジニアリング推進本部 品質管理部 品質戦略グループ
菅 大輝

菅 大輝

次世代自動化開発本部 データアナリティクス室
山崎 伸

山崎 伸

エンジニアリング推進本部 品質管理部 ネットワーク品質グループ
田 皓一朗

田 皓一朗

エンジニアリング推進本部 品質管理部 品質戦略グループ

形式知と実践知が結びつく。だから“使える”スキルが身につく

形式知と実践知が結びつく。だから“使える”スキルが身につく。

まずはコミュニティの概要を教えてください。どのような活動をしていますか?

中澤:データ分析と業務自動化の事例やノウハウを共有することで、分析・業務スキルの高度化を目指すコミュニティです。コンセプトは全員が自ら楽しんで、手を動かすこと。これを体現するために、実践の機会を中心に据えています。

山崎:主な活動は、業務で使ったデータ分析や自動化の事例を共有し合う「DEMO DAY」です。発表資料には具体的な手法やKDDIの業務で利用する“生”のデータ、実際のソースコードが含まれており、発表を聞いた人がその場でスキルを実践できるようにしています。

田:年1回、データ分析のスキルを競い合う社内コンペ「TraKaggle」も開催しています。例えば2022年は、社内に蓄積されたトラヒックデータを使って、何月にどのくらい通信量が見込めるか参加者の皆さんに将来の予測を立てていただきました。実際のデータで答え合わせをして、最も精度の高い予測をした人が優勝となります。

中澤:現在コミュニティには400名以上の参加者がいます。さまざまな本部から、年次を問わず集まっています。特別な参加条件は設けていません。自動化やデータ分析に興味がある、手を動かしながら楽しくスキルを向上させたい。この気持ちがあれば、知識やレベルを問わず大歓迎です!

形式知と実践知が結びつく。だから“使える”スキルが身につく。

本日お集まりいただいた皆さんは、どのようなきっかけで参加されたのでしょうか。

中澤:本業ではモバイル通信の品質改善を担当しています。ネットワークの傾向を見つめる中で変動を検知したり、その要因を分析したり、日々の業務にデータ分析は欠かせません。そのため自動化・効率化につながる情報が得られないかと思い、参加しました。他部署の事例に、自分の業務にとても役立つ手法が隠れていたりするんですよね。

山崎:普段はauひかりなど固定系設備のリソース管理を担当しており、中澤さんと同じくデータ分析は身近な存在です。業務の一環でプログラミング言語・Pythonを使った自動化にも取り組んでいるので、コミュニティのことを知って迷わず参加しました。

田:普段はビッグデータを使ったエリア品質の統計分析を担当しています。入社1年目の頃、配属初日がちょうど「DEMO DAY」の開催日で、上司にお声掛けいただいたことが参加のきっかけです。その日の発表者が自部署の先輩だったため、「DEMO DAY」を通じて業務の流れを理解することができました。

菅:私は技術部門向けにデータ活用を推進するためのプロジェクトを運営しています。データドリブンを「文化」として育てていく上では、組織的な取り組みに加えて、草の根的なコミュニティ活動も重要な役割を担っています。コミュニティの場でプロジェクトの情報を連携したり、両者をつなげる橋渡し役として参加しています。

事例発表はヒントの宝庫!業務自動化の原動力に

事例発表はヒントの宝庫!業務自動化の原動力に

コミュニティの雰囲気はいかがですか?

中澤:活動自体が「実践」を重視していることもあり、みんなでワイワイ進めています。というのも、このコミュニティはもともと品質管理部内の勉強会から始まっています。当初はAmazonさんの「ピザ2枚ルール※」を参考に、ランチタイムにピザを食べながら少人数で手を動かしていたそうです。その後は他部署も合流して拡大し、活動がオンラインに移行した今でも「楽しむ」というコンセプトは変わっていません。Teamsのチャットではいつも質問や相談事が飛び交っています。

※Amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏が提唱した、「全てのチームは2枚のピザを食べ切るのにちょうどよいくらいの人数でなければいけない」という社内ルール

これまでの活動の中で、印象に残っていることはありますか?

山崎:最近だと「DEMO DAY」の発表事例として、W杯の開催時期にトラヒックが急増した背景を分析しました。W杯と言えばテレビの前で選手を応援するのがこれまでの当たり前でしたが、今年はストリーミング形式の動画配信サービスで全試合が生配信されましたよね。スマートフォンで試合を閲覧する人が激増し、その影響でトラヒックが跳ね上がったんです。

こうした原因分析はもちろん、発表では実際のトラヒックを見ながら「都道府県別の傾向」など、さまざまな切り口で考察をしました。分析して終わりではなく「来年からこの傾向にどう対応するか」まで考えることで、データ分析の意義や必要性を伝えることができたのではないでしょうか。

田:菅さんが発表されていた、Teamsの自動投稿に関する事例も新鮮でしたね。

菅:ありがとうございます。実はビジネスインテリジェンスツール「Tableau」で作成したダッシュボードをPDF化して、Teamsのチャット上に自動で投稿できるんです。ダッシュボードを活用すればさまざまな情報をひと目で把握したり、複数のデータを同時に比較したりできます。例えば特定のグループに役立ちそうな情報を定期的に、自動で通知できるので、多くの人にとって業務効率化のヒントになるかもしれない。そう思って発表しました。

中澤:参加者に技術系の方が多いのでマニアックな事例もありますが、中には菅さんの事例のように身近なツールの意外な使い道であったり、業務効率化につながるヒントが転がっています。こう言い切れるのは、コミュニティで得た情報をきっかけに、私自身の業務が劇的に変わったからです。

具体的には、ネットワークの運用業務においてPythonを用いてPowerPointの報告書作成を自動化しました。以前はデータを収集したらグラフを作り、フォーマットに貼り付け、テキストを入力して、微調整して……。全て手作業だったので負担になっていました。それが今では、出社すると前日までのデータがPowerPointの報告資料として仕上がっている。本当に楽になりましたし、本来やらなくてはならない調査や改善に多くの時間を割けるようになりました。

山崎:中澤さんが体現されているように、僕は「自分の業務を楽にしたい」という気持ちが自動化の原動力になっています。報告書の作成ひとつとっても、自動化すれば数分で、何百回でも進めてくれますからね。

データ分析の間口を広げたい

データ分析の間口を広げたい

社内データ分析コンペ「TraKaggle」についてはいかがですか?

田:昨年は入社1年目の同期が優勝してびっくりしました。刺激を受けて自分も頑張らなきゃとますます気合いが入ります。

中澤:そうですよね。これまで「TraKaggle」は時系列予測という手法をテーマに3回実施していますが、参加者の皆さんはかなり高い精度で、僅差の勝負になっています。そしてなぜか、毎年入社1年目の方が優勝する(笑)。

山崎:「TraKaggle」には同じデータ分析に関わる他分野の人が参加しているため、「こんなやり方があったのか!」「これは自分の業務にも展開できそう」といった発見がたくさんあります。実際に、時系列予測のアルゴリズムはネット上で調べても分かりやすいものに出会えませんでしたが、コンペでKDDI総合研究所やデータガバナンス室などの方のやり方を学んだことで、今は自業務に適用できています。

菅:組織をまたいでノウハウを共有できるのが醍醐味ですよね。ただ、データ分析になじみのない人や初心者にとって、いきなり時系列予測と言われてもハードルが高いと思います。私自身がそうだったので……。そこで、データ分析の段階において予測的分析テーマよりも手前のステップにある、「可視化(記述的分析)」に焦点を当てたビジュアル分析コンペ「DATA-Viz」を立ち上げました。これを入り口にデータ分析のツールに興味を持ち、ゆくゆくは実際に手を動かしてみていただけたらと思います。

コミュニティ活動の醍醐味や、モチベーションになっていることを教えてください。

田:事例を発表することで業務の振り返りになりますし、発信の場をつくれることを魅力に感じています。こうした機会は自分で作り出さないとなかなかないので。自分の発表内容に対して参加者から「業務に生かせそう」などの反応をいただけるのもモチベーションになっています。

中澤:発表内容をベースに他の方がアイデアを深めてくれたり、アドバイスしてくれたりすると改善にもつながりますよね。そうやって進化させていくのが、単純に楽しいんです。

今後の目標があれば教えてください。

中澤:手を動かして、自分が成長していく過程を楽しむ。このコンセプトを体現しながら、今後も楽しく活動できる場を全員でつくっていきたいと思います。

データ分析の間口を広げたい

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