カルチャー

2021/10/07

求む!未来のDX人財 「KDDI DX University」を設立したKDDIのDXに懸ける本気度

求む!未来のDX人財 「KDDI DX University」を設立したKDDIのDXに懸ける本気度

2020年夏にDX人財を育成するために設立した社内大学「KDDI DX University」。「DX」に特化したクオリティの高い研修体系の裏に隠された、KDDIの強い思いとは。実際に運営に携わっている事務局の皆さんにお話を伺いました。

※DXはDigital Transformation、デジタルトランスフォーメーションの略

目次

■インタビュイー


明田さんプロフィール

KDDI DX University運営事務局
経営戦略本部長
明田 健司

伊藤さんプロフィール

経営戦略本部 経営企画部 企画2G
伊藤 俊太郎

「DX」に特化した社内大学「KDDI DX University」を設立

新設された社内大学「KDDI DX University」について教えてください。

明田:「KDDI DX University」(以下、KDU)は、当社のコア事業となるDX事業および社内DXの推進に向けて社内人財の育成を実現するラーニングプラットフォームのことです。当社は「通信とライフデザインの融合」を掲げ、基盤となる通信を核に周辺ビジネスの拡大を目指していますが、その際に重要となるのがビジネス・ディベロップメントを核としたDXによる事業創造です。データをベースにビジネスデザインを行い、さまざまな関係者を巻き込んだ上で新たな事業開発や社内改革を推進していく能力です。KDDIの事業戦略に沿って、今後、社内にこの能力を持った人財を増やすことを目的にKDUで人財育成を行っていきます。  企業内大学のある国内企業もいくつかありますが、当社のように「DX」に特化したものは他に類を見ないユニークなものだと自負しています。

KDDI DX University運営事務局(経営戦略本部長)明田 健司さん

▲KDDI DX University運営事務局(経営戦略本部長)明田 健司

他社に類を見ないユニークで実践的な思想

KDUの概要について教えてください。

伊藤:KDUの基本情報については私から。まずは理念など大きな話ですが…

育成プログラム

■育成プログラム
一般的な研修とは異なり、KDUは人財マネジメントサイクル「4Dサイクル」※の考え方を基に研修を設計しています。そのため受講生の皆さんには、会社がDX人財を必要とする背景、会社が求めるDX人財(職種)定義について明確に説明し、求めるスキルを具体的に提示した上で研修を受けていただきます。大学のように知識やスキルを体系立てて学んでいくことができるのが大きな特徴です。

  • ※ Define(定義・評価)Discover(選抜・採用)Develop(育成)Deploy(配置・活用)

■育成職種
DX人財として、5つの職種を具体的に定義し育成します。
これらの職種は20年度から導入を開始した「KDDI版ジョブ型人事制度」での専門領域(全30領域)の5つとして人事制度に組み込まれているのが特徴です。
前述した4Dサイクルの考えに則り、募集職種を単なる受講コースではなく人事制度上の領域と合わせることで、より受講生が自らの業務と整合させ、また今後のキャリアパスを描きやすいものにしています。

(1) ビジネスディベロップメント職種
大規模なアライアンス構想を企画し、CxO※レベルが抱える経営課題に対してプロジェクトチーム全体をマネジメントしながらミッションを完遂する

(2)コンサルタント&プロダクトマネージャー職種
業務課題を抽出し、社内外のパートナーと協働・連携しながらプロジェクトチームを主導し、業務改革を実現する

(3)テクノロジスト職種
社内外のDX案件のIT面で先頭に立ち、先端技術や最新の開発手法を取り入れてシステム刷新をするプロジェクトチームをリードしていく

(4)データサイエンティスト職種
社内外のDX案件の分析面で先頭に立ち、データや科学的な根拠に基づいた企画を実現する

(5)エクスペリエンスアーキテクト職種
社内外のDX案件において顧客体験面で先頭に立ち、顧客の深層心理に基づいて最高の顧客体験を実現する

  • ※ CxO(「Chief ~ Officer」と表記される執行責任役職の総称)

KDUの全体コンセプト

■KDUの全体コンセプト
知識も大事だけど、とにかく実践
KDUでは、ただ単に知識を貯め込むのではなく、体験することで実践から学びを得ていただきます。

常に進化する生きたプログラム
研修コンテンツは時勢に順応し、常に最新化を図っていきます。また、講師からだけでなく受講生同士でもフィードバックを習慣化するなど、KDUを一種のコミュニティとしても活用していただきたいと考えています。

人財もスキルも共通指標で
DX人財の定義やスキルアセスメントを共通指標とし、人財育成カルチャーを全社で醸成していきます。

fr_dxuniversity01_03.jpg

▲コンセプトの一つ「常に進化する生きたプログラム」

×fr_dxuniversity01_05.jpg

▲KDDI DX University運営事務局(経営戦略本部 経営企画部 企画2G)伊藤 俊太郎

自らの業務に即生かせる実践的なカリキュラム

伊藤:ここからは具体的に受講生の皆さんがどのような内容を学ぶのかをご紹介します。

■受講生区分
20年度育成実績:一般受講コース:約260名/注力育成コース:20名

昨年度は第1期で約120名、第2期では160名の方がKDUを受講しました。一般受講コースでは半年間、業務時間の約2割をベーシックレベルの研修に充てていただきます。その後は本人の業務やキャリアに合わせて、より専門的な研修を受けていただくアドバンスレベルへと進み、さらに半年間の研修を受講いただきます。 注力育成コースの方は、2カ月間は業務から離れて集中的にDXに関する知識などを習得していただきます。その後は全社横断のDX案件プロジェクトに参加して約7か月間OJT期間として経験を積み、本配属を迎えます。 今回の記事では対象範囲の広い一般受講生向けの説明をさせていただきます。

■研修詳細
・受講時間
一般受講生の方は最初の半年間は週8時間(業務時間の約2割)ほど、後半の半年間は週4時間(業務時間の約1割)ほど研修に参加していただきます。尚、基礎研修については事前テストの結果を踏まえ、e-ラーニングを受講した後にワークショップスタイルの講義でスキルの演習を行うなど、個々人のレベルに合わせた柔軟なプログラムの設計を行っています。

・受講スタイル
オンラインとオフラインを併用したハイブリッド型となっています。

オフライン研修の様子
オフライン研修の様子

オフライン研修の様子
オフライン研修の様子

▲オフライン研修の様子

・研修体系/カリキュラム
研修は大きく4段階に分かれており、「DX基礎研修」「コアスキル集中研修」といった基礎的な内容をベーシックレベルで学び、その後はより専門的な内容などをアドバンスレベルの「専門スキル研修」「実践研修」で習得していただきます。

研修体系/カリキュラム

図4

▲コンセプトの一つ「常に進化する生きたプログラム」

■一般受講生の声

自分にとって大きなチャンスに
一般的な研修とは異なり、DX人財として必要なスキルが習得できるようカリキュラムが組まれているため、その後の業務ですぐに使えることが多かったです。裏を返せばそれだけ厳しい研修ではありますが、それ以上に得るものが多くて非常に有意義でした。個人的には、言葉の意味だけを知っていたアジャイル開発を学べた「アジャイルワーク」と、異なるバックグラウンドを持つ受講生と議論をしながらコンシューマDXの追体験を行う「ブートキャンプ」のカリキュラムが印象的でした。研修を受けてみて、これからはDX的な発想/実践が世の中の当たり前になる日が来るのだと思わされました。業務と並行しながらの受講は大変ですが、自身にとって大きなチャンスになると思います。

(サービス統括本部 パートナービジネス開発部 基盤開発G 水野 僚太郎さん)

自分自身のDX実現につながる研修
研修と聞いてスキル向上のみを想定していました。しかし、コンテンツのクオリティ・充実度はいずれも高く、基礎研修/コアスキル研修を通じて自身のマインドセット向上に影響を与えられました。基礎研修により自身の足りない点が見えてきてさらなる学びの必要性を感じ、ブレイクスルーストーリーからは視座を上げてさらなる高みを目指すべきこと、またブートキャンプでこれまで関りのなかった他部署の人と交流して取り組むことで、会社としてのポテンシャルを感じることができました。会社がDX人財の育成に対する意気込みと本気度を感じました。この研修は、自分自身のDX実現につながる研修だと思います!

(ソリューション営業本部 営業企画部 DX戦略G 西田 嘉孝さん)

DX人財として成長するためのチャンスを掴みにきてください

これだけ最先端かつ実践的な研修体系を作り上げるためにどのような苦労があったのでしょうか。

明田:KDUを設立するに当たって一番意識したのが、KDUの研修内容を社員の皆さんが学びを実際の業務にしっかりと活用してもらえるクオリティにすることでした。そのため、既にDXを標榜し独自の研修を行っていたソリューション事業本部などの社内関係者や社外関係者に徹底的にヒアリングを実施し、必要な内容やレベル感について研究しました。また、先程お話しした職種ごとの定義については、GAFAM含む国内外の先進企業におけるDXの定義なども参考にしながら全体設計およびカリキュラムの作成を行っていきました。そのおかげで完全ではないですが、受講生の皆さんからの評判も良く、運営事務局としてはまずは第一関門を超えたかなと思っているところです。DX業界は今後もどんどん進化していきますので、これで完成だとは全く思っていません。21年度は7月に第三期のプログラムを開始し、研修内容も受講生のフィードバックや他社先進事例を基にブラッシュアップを続けていきます。

最後にメッセージをお願いします。

伊藤:私自身も昨年度に一般受講コースでKDUに参加しているため、一受講生としての目線でお伝えさせていただきます。新人事制度や新働き方宣言など、今会社は大きく変わりつつあります。私も今のままではいけないという漠然とした危機感はあるものの、具体的に自分はこれからどうキャリアを描いていけばいいか迷うこともありました。しかし、今回KDUに参加し、具体的に求められる人財像について体系的な講義を受け、同じような業務領域の方と一緒に研修を進める中で、自身の専門性の在り方を考えるようになれたと思います。もちろん、研修自体のクオリティの高さも保証します。ぜひ積極的にKDUに飛び込んできてほしいと思います。

明田:今世の中ではDXが求められていますし、当社の事業戦略上においてもDXの推進は必須なものです。KDDIはKDUを中心とするDX人財育成を通じ、23年度末に全社で4,000名規模のDX人財を育成する予定です。会社は本気でDX人財の育成に取り組み、質の高いプログラムを今後も社員のみなさんに提供していきます。ぜひこのチャンスを掴み、DX人財としてのキャリアを目指して欲しいと思います。

_20D5265.JPG

この記事をシェア

Facebook LINE Twitter

RECOMMEND おすすめ記事

VIEW MORE

RANKING 人気記事ランキング