カルチャー

2022/08/23

『KDDIフィロソフィ』が社員とお客さまの思いをつなぐ

『KDDIフィロソフィ』が社員とお客さまの思いをつなぐ

KDDIには、「KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。」という企業理念があります。この企業理念を実現するために一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範を記した『KDDIフィロソフィ』の浸透活動を牽引する猪股さんにお話を伺いました。

目次

■インタビュイー略歴


猪股

猪股 麻美

コーポレート統括本部 人事本部 人財開発部 フィロソフィ推進グループ
中国セルラー電話へ入社後、お客さま対応を担当。KDDI合併後に移動体基地局建設に関わる管理業務を経て、中国地域から本社へ転勤。2012年人事本部に異動後は、海外赴任者の健康管理や安全衛生管理などの労務業務に従事したのち、現在はKDDIフィロソフィ浸透活動に取り組む。

肌で感じたフィロソフィの大切さ

肌で感じたフィロソフィの大切さ

そもそもフィロソフィとは、どんなものなのでしょうか?

一般的には、企業理念あるいは経営理念と言われるものです。理念とは、何のために企業が存在するのか、何のために日々働き、何をもって働く喜びとするのかを明文化したものです。規模の大小を問わず、多くの企業が策定しています。成長し続ける企業には共通して理念があり、それをすべての社員が理解し、大切にしているように思います。

一方、KDDIフィロソフィは、社是・企業理念、そして、5章38項目からなるKDDIフィロソフィで構成されていて、会社と社会の持続的な成長を遂げるため、私たち一人ひとりが持つべき考え方・価値観・行動規範が示されています。

KDDIフィロソフィが制定されたのはなぜですか?

KDDIは2000年に3社が合併し発足した企業です。私がまさに中国セルラーからの社員であるように、さまざまなバックグラウンドを持った社員たちが共通の価値観を持ち、企業文化を育むためにフィロソフィは制定されました。

会社の存在意義・目指す姿を明確に示すことで、全社員が一丸となることができ、行動する上で共通の判断基準を身につけていれば、一人ひとりが自ら考え、行動することができると考えています。

ご自身の経歴においても、フィロソフィは密接だったのでしょうか?

1992年、私は「未来につながる仕事がしたい」という思いで入社したものの、当時、携帯電話を日常的に利用している人は極々限られた業種、富裕層の方たちだけでした。稲盛最高顧問は当時から「一人一台が当たり前になる時代が来る」とおっしゃられていましたが、とても信じられませんでした。

2000年の合併でKDDIが発足した際に、KDDIフィロソフィが策定されましたが、私個人としては、地元の広島から東京本社に転勤になり、仕事に対するスピードやレベル、自分の実力不足に落ち込み、その当時自分がフィロソフィを意識していたかと言われると、正直意識していませんでした。

そこからフィロソフィを意識するようになったのはなぜですか?

転勤直後の自分と同じように新しい勤務地や部署で苦労をした仲間たちを見て、これまでの経験を通して誰かの役に立つ人間でありたいという思いを強く感じ、人事部に異動しました。

その後、KDDIフィロソフィの浸透活動に携わり、苦労しながらも一生懸命仕事に向き合ってきたこれまでの道を振り返ってみると、フィロソフィにある考え方や行動と重なっていて、フィロソフィには仕事をしていく上で大切なことが書かれているということに気付き、フィロソフィを強く意識するようになりました。

それからは、全社員がKDDIフィロソフィを通じて、会社の存在意義・存在価値に共感し、業務に携わる中で自身が働く意義を見出し、それを誇りとしてKDDIで働くことに生きがいを感じて欲しいという思いで、活動を行っています。

目指したのは全社員が”自分のもの”にできるフィロソフィ

目指したのは全社員が”自分のもの”にできるフィロソフィ

合併時に策定されたフィロソフィは、現在も変わっていないのでしょうか?

KDDIフィロソフィは、2013年に、合併当時に掲げられた社是のみを残して大きな改定を行い、この際に、現在の企業理念と5章38項目からなるKDDIフィロソフィが策定されました。

フィロソフィの大きな改定を行ったのはなぜですか?

2010年頃から、携帯電話はスマートフォンにシフトしつつありましたが、KDDIは他社よりも出だしが遅れ、業績が落ち込んでいました。そのような状況の中、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、KDDIの通信ネットワークも甚大な被害を受けました。この出来事は、会社の存在意義をあらためて考えさせられた機会であり、KDDIの使命は、人々の思いをつなぎ、笑顔と幸せを届けることだと、私たちの胸に深く刻まれました。こういった出来事を受け、社内の危機感が高まり、われわれの使命を果たすために、全従業員が心を一つにしなくてはいけない、そのために、新しいKDDIフィロソフィが必要だと考え、策定プロジェクトが立ち上がりました。

フィロソフィの内容はどのように決定されたのでしょうか?

KDDIフィロソフィを本気で実践していくため、全社員が自分のものとして、あらゆる場面で実践できるよう経営幹部と社内の代表者が議論を重ね策定されました。策定にあたっては、KDDIがどのような会社を目指すのか、どのような考え方・価値観で行動すべきか、そして、どの部門においても、自らの業務に置き換えられるような内容にすべく検討が進められました。 また、社会インフラを担う会社としての使命を果たすため、東日本大震災での教訓も反映されています。 現在のKDDIフィロソフィには、KDDIの従業員としてこうありたい、という願いが詰まっています。

浸透活動がもたらすさまざまな効果

浸透活動がもたらすさまざまな効果

フィロソフィ推進グループでは、どんな業務を行っているのですか?

グループ全体としては、フィロソフィの浸透と社員エンゲージメント向上の促進を行っています。フィロソフィの浸透では、全社員に対しての勉強会を実施することが主な活動になります。コロナ禍においてはオンラインによる勉強会の開催が中心になっていますが、2013年から現在までコンスタントに勉強会を積み重ねてきました。

フィロソフィ勉強会はどんな構成になっているのですか?

対面では約60人、オンラインだと約150人が参加します。フィロソフィの理解を深め、仕事の中でフィロソフィを実践していくための2時間のプログラムで、グループワークが中心となります。ほぼ初対面の人とグループワークをするため、他部署とつながる交流会の役目も果たしています。

特にオンラインになってからは、全国の人と交流できることがとても新鮮だと好評です。逆にそろそろ対面でやりたいという声も頂いていて、私が思っている以上に意義深く感じてくださっていることは嬉しいですね。

参加された方からは、どのような感想がありますか?

「自分の仕事の目的・役割をあらためて考えるきっかけになっています」や「普段関わりのない部署、年次の方と話す機会に加え、それぞれの根底にある考えも聞くことができる、刺激的で気づきの多い有益な場です」など、ポジティブなものがほとんどです。「仕事で悩んでいたことを、部署が違うからこそ素直に相談することができてすごくスッキリした」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

フィロソフィが実践され、お客さまへのサービスにつながった例もあるとか?

事例はたくさんありますが、代表的なものに「おもいでケータイ再起動」という 活動があります。専用の機器を使って、大切な思い出や記録が眠る携帯電話を再起動するサービスです。『驚きを超え、感動をお客さまに届ける』、『お客さま第一に考える』というフィロソフィにもあるように、お客さまにサービスを提供するにあたって大切なものは何か?という当たり前のことを実践した象徴的なサービスだと思います。

KDDIグループ全従業員の心を1つにするために

KDDIグループ全従業員の心を1つにするために

フィロソフィ浸透に携わって約10年。課題として感じていることはありますか?

全社に向けた浸透活動には、KDDI本体もあれば、KDDIグループ会社、また海外のグループ会社への活動もあります。KDDIの中でいえば、各本部の中でフィロソフィ推進をする担当を設置し、各所の業務や環境に沿った活動を行っていますが、組織によって活動に対する温度感の差はどうしてもあり、この差が広がらないよう活動を行っていくことの難しさを感じることはあります。

さらに、社員の入れ替わりや時代・社会環境の変化に対応しながらいかに活動していくか。数字などで可視化される業務と違い、理念という目に見えない部分を担っているからこそ、常に時代の空気には敏感でいる必要があると思っています。

最後に、猪股さんが大切にしているフィロソフィを教えてください

どんな仕事であっても、仕事の機会をいただいたことに『感謝の気持ちを持つ』こと、そして『利他の心で考える』ことを常に意識しています。仕事には必ず相手がいます。お客さま、パートナー会社はもちろんのこと、一緒に仕事をする仲間、上司、関係する部署の方々など。仕事を成功させるため、成果を出すためには、その相手とのコミュニケーションは欠かせません。その手段はさまざまありますが、その中で自らの言動はとても大切だと思っています。

加えて、『事業の目的、意義を明確にする』を大事にしています。ここには、どんな小さな仕事でも必ず意義のある目的に結びついていると示されています。常に、何のためにこの仕事をするかという目的、意義を考え、迷いが生じた時に必ずこの目的に戻るよう意識しています。

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