カルチャー

2023/12/28

育休を取得してみてどうだった?
体験談から知る、KDDIの男性育休のリアル

育休を取得してみてどうだった?<br>体験談から知る、KDDIの男性育休のリアル

政府は、男性の育児休業の取得率の目標を大幅に引き上げ、2025年度に50%、2030年度には85%とすることを表明(※1)し、男性育休に関する関心度は高まってきています。
KDDIでも、仕事と育児・介護の両立支援制度の一つとして、男性育児休職取得の促進に積極的に取り組んでいます。今回は、実際に育休を取得した安藤さん、永井さんと、育休推進担当の鏑木さんにお越しいただき、KDDIの男性育休についてお話を伺いました。
※1 引用元:こども未来戦略方針(令和5年6月13日閣議決定)

目次

■インタビュイー略歴


安藤 盛洋

安藤 盛洋

コーポレート統括本部 人事本部 人事企画部 ピープルアナリティクスグループ
社員が気持ちよく働けるよう、人事に関するデータを用いた人事制度の導入効果などのデータ分析を行っている。
2023年4月〜6月に3カ月間の育児休職を取得。
永井 宏弥

永井 宏弥

監査本部 内部監査部 部長
KDDIグループのリスク管理・内部統制水準の向上に貢献する内部監査部に所属。
部長として、内部監査の戦略立案・遂行、業務の品質・進捗、人財の管理をはじめとする組織マネジメントを担当している。
2019年9月に1カ月半(第1子)、2023年5月に1カ月間(第2子)の育児休職を取得。
鏑木(かぶらき) 正子

鏑木かぶらき 正子

コーポレート統括本部 人事本部 人事企画部 労務マネジメントグループ 育休推進担当
社内の育児や介護に関する制度の立案・改定などに携わり、その手続きや問合わせ窓口を担当している。

上司や同僚の協力で、スムーズに育児休職を取得

上司や同僚の協力で、スムーズに育児休職を取得

取得された経緯と、取得期間をどのように決めたのか教えてください。

安藤:第1子でしたし、いろいろなことが不安だったので、妻と相談して3カ月間の育児休職を申請しました。自分としてはもう少し短くてもいいかなと思いましたが、妻はできるだけ長く、6カ月くらいは取って欲しかったようです。

永井:私は2017年にKDDIに中途入社していて、育児休職の取得は2回目です。1回目は2019年に1カ月半取得したのですが、前回の経験を踏まえると、生後1カ月くらいは妻の体力に不安があることから、その間は育児休職を取得しようという結論になりました。

鏑木:KDDIは、夫婦で育児と仕事を両立できる制度や環境の整備を進めており、男性の育児休暇・休職制度には、出産休暇・出生時育児休職・育児休職があります。
今回のテーマである育児休職の昨年度の取得期間の平均値は70日。最長で1年半取得した方もいて、2023年度に入ってからはさらに平均値が伸びています。

KDDIの休暇・休職制度
KDDIの育休の取得状況

育児休職に入る際、周囲の協力体制はいかがでしたか?

安藤:会社全体として、男性も育児をすることに対しての理解が進んでおり、上司に相談するとすぐに快諾をいただきました。初めての育児のため3ヶ月の取得を申請しましたが、同僚からはネガティブな反応などはなく、すぐに誰がどの業務を巻き取るかという実務的な話ができたので、スムーズに育休に入ることができました。

永井:前職では育休を取る空気はなかったので、KDDIで1回目の育休を上司に話した際は恐る恐るという感じでした。2回目の時は部長職という立場になっていたので、どういう反応をされるだろうかと思っていたのですが、それはまったくの杞憂に終わりましたね(笑)。何の抵抗もなくOKをもらうことができ、業務は本部長や各グループリーダーに分担して引き受けてもらいました。

仕事を休むことへの不安はありましたか?

安藤:普段はプログラムを書きながら分析の仕事をしているのですが、3カ月も書いていないと忘れてしまいそうで怖かったです(笑)。また、仕事に復帰したときに担当している案件が変わってしまう不安もありました。休職期間が長期なので仕方ないかなと思っていましたが、結果的には仕事の内容は変わらず、復職後も同じ仕事に携わることができています。

永井:正直、部長職で職場を離れることがどんな影響をもたらすのか分からない、という懸念はありました。ただ、仕事については特定の人間に頼らない仕組みがしっかりしていましたし、その部分では1カ月任せても問題ないと考えました。

仕事を離れて得られた新たな視点や発想

仕事を離れて得られた新たな視点や発想

育児休職を取得して良かったこと、学んだことはありましたか?

永井:家庭環境によって育休を取る意味は異なると思いますが、家事・育児を2人で分担すると、1人に比べて心に余裕が生まれます。夫婦で分担すれば各自1の負担で済むのに、1人に負担が集中すると1+1=2でなく、3や4になってしまうんです。2人目の子育てで、そんなことをあらためて感じましたね。

仕事に関しても、離れることで新たな視点や発想を思いつくことがあり、業務の進め方等の「当たり前」に疑問を感じたり、根本的に考え方を変えてもいいんじゃないか、というアイデアが生まれたりもしました。

安藤:育休中は仕事に関する本は読まず、育児に関することだけを勉強しようと決めていました。人がどのように成長するのかを、身体面・精神面の観点から勉強しながら育児をしていたので、日々学びの連続でした。妻と分担することで育児の大変さを身をもって実感しましたし、一緒にいる時間が長かったので、絆が深まったように思います。

ただ、夜に子どもの泣き声で起きてしまい、常に寝不足だったのは辛かったですね。改めて、睡眠を十分に取ることの重要性を認識しました(笑)。
社内で実施されている健康に関するアンケートに睡眠に関する設問があるのですが、本業での分析においても、この設問の重要性について改めて認識しました。

安藤さんの育休の様子
永井さんの育休の様子

育休制度は社内でどのくらい浸透していると感じますか?

永井:私の部署はKDDIの中でも年齢層が高い男性が多いので、育休制度が話題になることはほぼありません。ただ、私が育休を取得する際に、旧時代的な意見が耳に入ることはありませんでした。

鏑木:部署によってもばらつきはありますが、部長やグループリーダーなどリーダー層の方が育休を取っていると、部署全体でも取得率が高いという結果が出ています。リーダー層が取得すれば下の人たちも取りやすい雰囲気になりますよね。そういう意味で、永井さんのような方が取ってくれると育休推進担当者としてはありがたいです(笑)。

安藤:同世代の同僚に聞いても育休を取っていますし、ここ数年で取って当たり前のような雰囲気がありますね。男女問わず取りやすい環境にあることは魅力だと思います。

永井:安藤さんの言うように、育休を取りやすい空気感はとても大事です。また、全社的な育休取得率の高さも、取得したい人にとっては安心材料になりますね。

鏑木:KDDIでは、2023年度に男性育児休業等取得率(※2)100%目標を設定しています。2022年度の取得率は71.8%でしたが、目標設定以降は男性社員からの問い合わせも増え、育児休職への関心が高くなっていると感じています。
制度の理解と浸透を図るため、2023年10月には「男性育休ハンドブック」を制作してホームページに掲載、制度全体をまとめて確認できるようにしました。上司にも制度を理解いただけるよう、上司用のハンドブックもあります。

男性育休ハンドブック

また、男性社員とパートナーが一緒に参加いただくワークショップも開催しています。夫婦で家族のビジョンや役割分担を話し合い、どのように仕事と育児を両立していくかを考えるワークです。2022年度は17組の夫婦に参加いただき、参加者からは『大切にしたい家族のビジョンを「楽しく」「仲良く」のイメージが共有できた。社内にも多くの仲間がいることがわかり励みになった。』というお声もいただいています。

※2 男性育児休業等取得率は、分母を配偶者が出産した男性社員数、分子を出産休暇・出生時育児休職・育児休職のいずれかの取得者数で算出しています。

取得する立場に寄り添った、よりフレキシブルな育休制度へ

取得する立場に寄り添った、よりフレキシブルな育休制度へ

取得して感じた、KDDIの育児休職制度の改善点はありますか?

安藤:育休取得までのフローが少し分かりにくいかもしれませんね。手続きの流れはしっかり書かれているのですが、手続きの期限が明確ではなかったりして……。同じ人事企画部の鏑木さんには休職明けに早速お伝えしました。

鏑木:はい、安藤さんのご意見は認知しています(笑)。取得した社員からのリアルな声はなかなか聞くことができないので、とてもありがたいですね。

永井:私は、もう少しフレキシブルになってもいいのではないかと感じました。例えば、仕事からまったく離れてしまうと、育休を取りにくいと感じる人がいるかもしれません。休職中はもちろん家族を優先するべきですが、仕事用のパソコンを見られるようにするなど、柔軟に対応してもらえると良いなと思いました。

鏑木:育休制度や手続き方法、ホームページへの案内は、まだ改善できることがありますので、引き続き検討していきます。

これから育児休職を取得する方へアドバイスをお願いします。

永井:これからの夫婦のあり方として、それぞれが仕事・家事・育児の全てについて一定のスキルがあり、どんな状況にも対応できるマルチプレイヤーであることが求められると思います。育休を取るか取らないか、取るとして休職中にどのような役割を担うのかは、各家庭の事情によって異なりますので、パートナーとよく話し合うことが大切です。

また、育児中にいろいろと質問をすると妻にとってストレスになるので、生まれてからしばらくの育児の流れをあらかじめ本や動画などで確認しておくと良いと思います。

安藤:永井さんの言うように、生まれてすぐに必要な知識や数年先を見据えての知識など、網羅的に考える必要があると思います。どの月齢でどういったことが起こるなど、ある程度の見通しを持てるよう、育休中にどんな本を読むか計画しておくと良いなと感じました。

あとは、個人的な感覚ですが、子どもの生活リズムが整ってくるという点で、3カ月という期間はちょうどよかったなと感じています。

鏑木:男性の育休では、仕事の評価や昇給への影響が気になる方もおられると思いますが、育休を取得した社員は、その後の仕事へのモチベーションが上がるというデータも出ており、社員自身の自己成長や会社の競争力強化にもつながると考えています。

また、アンケート調査などによると、育休の満足度は非常に高いことが分かっています。『子どもの大切な時期に一緒に過ごせたことは、貴重な財産になった。』といったコメントもいただいているので、上司や同僚、パートナーとよく話し合って、ぜひ取得していただきたいと思います。

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