カルチャー
2022/04/14
おもいでケータイ再起動
社員ボランティアが学んだ「auとお客さまのつながり」
電源が入らなくなったケータイを再起動、お客さまの大切な思い出を取り出して、プリントした写真をお渡しする「おもいでケータイ再起動※」。今回は、GINZA 456 Created by auで開催した回にボランティアスタッフとして参加された古閑さん、笠原さん、小澤さん、伊藤さんと、事務局の柴田さんにお話を伺いました。普段の仕事でお客さまと直接お話しする機会がない社員が初めて感じた、KDDIとお客さまのつながりとは?
※2016年7月、au Style SHINJUKUで始まったイベント。全国の直営店などで開催を重ね、これまでに約8,600名が"思い出と再会"することができました。「ケータイに電源が入らず、もう諦めていた写真や動画が見られてうれしい!」など多くのお客さまに喜んでいただいています。
目次
■インタビュイー略歴
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事務局
柴田 真理子 - ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 戦略グループ
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古閑 卓磨
パーソナル企画統括本部 パーソナル事業管理部 統括グループ
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笠原 鮎奈
- ビジネスIoT推進本部 IoT統括部 企画推進グループ
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小澤 翔大
- サービス統括本部 ライフデザインサービス企画1部 サービス企画2グループ
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伊藤 千晴
- 人事本部 人財開発部 フィロソフィ推進グループ
普段仕事で接することの少ない「お客さま」と向き合うために
柴田:私は事務局として全体統括を担当しました。以前から「おもいでケータイ再起動」の運営に携わりたいと思っており、主催部署のブランドマネジメント部に異動しました。コロナ禍により、都内での開催は約2年ぶり。お客さま、スタッフの募集枠もあっという間に埋まりました。スタッフとしてボランティア参加された皆さんは、どのようなきっかけで参加を決められたのでしょうか?
古閑:社内ポータルサイトでこの取り組みを知って、ぜひ参加したいと思いました。入社当時は営業職だったのでお客さまと直接お会いする機会がありましたが、現在は採算管理などを担当する部署なので、お客さまとの接点がなくなってしまったからです。このイベントを機に「お客さま視点」について改めて考えてみようと思いました。
伊藤:私も古閑さんと同じ理由です。2020年に航空会社から出向して、現在は人財開発部で勉強会のファシリテーターや新入社員研修を担当しています。出向元では空港で日々お客さま対応をしていましたが、今はそういった機会がありません。今年度の勉強会テーマに「お客さま視点に立つ」があるので、これは良い機会なのでぜひ応募しなくてはと思いました。
笠原:私も航空会社から出向しています。現在はIoT統括部で営業サポートとして、問い合わせ対応や契約書の作成などをしています。せっかくKDDIで働く機会をいただいたので、auのお客さまに会ってみたいと思い、今回のボランティアスタッフに応募しました。
小澤:僕は昔からケータイが大好きでKDDIに入社しました。「おもいでケータイ再起動」はケータイの魅力を再認識できるイベントなので、参加しないわけにはいきません(笑)。 普段はコンテンツサービスの企画などを担当しているので、実際にケータイをお使いになるお客さまと関わるためにも経験しておこうと思いました。
柴田:小澤さんはケータイにどのような魅力を感じているのでしょうか?
小澤:いつもワクワクさせてくれる存在だというところでしょうか。 初めてケータイを持ったのは小学校6年生のときです。それ以前は友達と連絡を取るときは家の固定電話を使っていたので、いちいち親に取り次いでもらう必要がありました。それが小さなケータイ一つでいつでも誰とでも直接つながれるし、メールもできれば、調べ物もできる。「なんてすごいんだ!」と感動しました。それからもケータイはどんどん進化していって、大人になっても「あ、こんな機能もあるのか」と、今でもワクワクが止まりません。
▲ 「再起動するまでの時間はみんなドキドキしながらじっと待っているので、こちらまで緊張します……」と笠原さん(右)
電源が入ったときの喜びを何倍にもしたい
柴田:普段はあまりお客さまと接する機会がないということですが、当日の対応で心掛けていたことはありますか?
小澤:事前のオリエンテーションで柴田さんに「お客さまと積極的にお話ししましょう」と言われていたので、自分から話し掛けることを意識しました。ただ、お客さまが思い出に浸っているときはそっと見守るようにしていました。昔の写真データが蘇ったとき、皆さんは笑顔ともまた違う、懐かしんでいるような、何とも言えない良い表情をされます。その感動の時間は邪魔しないように……。
笠原:分かります。思い出を見つけたその瞬間を大事にしてもらいたいですよね。 私も自分のケータイを持ってきて再起動してみましたが、「電源がついた!」という瞬間はなんともいえない感動的な喜びがありました。イベントの手順で「電源はお客さまに入れてもらう」と決められていますが、たしかにこれはお客さまに体感してもらうべきだと納得しました。
個人的な思い出を初対面のスタッフに話すことをためらわれる方もいらっしゃるかと思いました。そのため自分からは根掘り葉掘り聞かず、お客さまから話しやすい空気づくりを意識しました。こうした点は航空会社でのスピードや正確さが求められる接客とは少し異なり、新鮮でしたね。
「再起動」だけが全てじゃない。大事なことを思い出すきっかけに
柴田:さまざまなお客さまと接する中で、皆さんが特に印象に残ったことはありますか?
伊藤:私が対応させていただいたお母さまと娘さんのお二人連れは、「どんな写真が入っているかな?」とワクワクした様子で昔のガラケーを持って来られました。いざ電源を入れてみると、当時5歳だった息子さんが病院のベッドに横たわっている写真を発見。息子さんは現在24歳になられて元気に活躍されているそうですが、当時は闘病中で、大変心配されていたそうです。アルバムにして写真をお渡ししたところ、涙ながらに「ありがとう、ありがとう」と言ってくださいました。
▲ 「『この写真を取り出したい』と明確な目的を持ってお越しになる方もいれば、思いがけず大切な写真と再会できた方もいらっしゃいました。すべてこのイベントならではの醍醐味ではないでしょうか」と伊藤さん(左端)
古閑:私は親子3人連れで来てくださったお客さまが印象に残っています。亡くなられたおじいさまと愛犬のツーショット写真が出てきて、「おばあさまに見せてあげよう」とうれしそうにされていました。
▲ 「馴染みのないガラケーにお子さんが衝撃を受け、『電卓できるなんてすごいじゃん!』と感動していました」と古閑さん(右端)
笠原:「東京で開催されるときには絶対に幼馴染と一緒に行く」と以前から決められていて、お二人でお越しくださったお客さまもいました。当時お二人が交わされたメールのやり取りを見たいと楽しみにされていましたが、再起動はできたもののパスワードが分からず、メールの中身は見られません。そこで私もお二人と一緒にパスワード探しの戦いに……。近くにいた小澤さんも参戦して、誕生日、ゾロメ、語呂合わせ、当時好きだった人の誕生日など、スタッフも総出で夢中になりました(笑)。
……結局パスワードは突き止められませんでしたが、お客さまとの距離はグッと近くなりました。
▲ 「データを復元できずとも、そこに至るまでの経験を皆さんがいろいろな形で楽しまれていることを実感しました」と笠原さん(右から2番目)
小澤:同感です。ある女性は「子どもの昔の写真が入っているはず」と涙を流しながらおっしゃっていて、これはなんとしても再起動させなくてはと思いました。ドキドキしながら準備を進めていると、「あれ?思っていたケータイと違うものを持ってきちゃったかも(笑)」と一言。実際にお持ちいただいた端末は勘違いされていたもので目的の写真は取り出せませんでしたが、その代わりに、お店に並んでいるようなデコレーションケーキの写真が何枚も出てきました。
お客さまは「そういえば私ケーキ作ってたな~」と、昔の趣味を思い出されてうれしそうでしたね。その後も「こんな写真撮っていたんだ!」と思いがけない思い出に出会えてとても楽しそうなご様子でした。
▲ 「お客さまとスタッフの関係は、その人の思い出に触れながら話をしたり、笑い合ったり、『営業』とは異なるけど友人ではない、不思議な関係です」と小澤さん(右)
お客さまの人生を豊かに彩るお手伝いがしたい
柴田:実際に「おもいでケータイ再起動」に参加してみてどんなことを感じましたか?
笠原:たとえケータイが再起動できなかったとしても、真摯に対応させていただくことでお客さまからは「ありがとう」と言っていただきました。お客さまが見てくださっているのは私たちがお客さまと向き合う姿勢なのだと改めて気がつきました
小澤:たくさんの方に「人生の一部」を見せていただき再認識したことは、ケータイはただの通信端末ではなく、お客さまの日常生活に溶け込んだ存在であること。KDDIは通信サービスを提供しているのではなく、お客さまの思いをのせて人と人をつないでいること。自分の仕事が世の中の役に立って、たくさんの人の幸せな生活を支えていることを実感しました。
僕も写真やメールをたまに見返しますが、思い出を振り返ることができるのはケータイがあるからです。KDDIの社員だからこそ、こうしてたくさんの人の人生に関われるんだと感じました。
古閑:このイベントは、現在auのケータイを使っている方だけでなく、過去に契約した方やドコモなど他社のケータイをご利用の方も思い出を振り返る機会を持つことができます。ケータイに残された写真やメールから思い出を復元することで、「時空を超えたつながり」をお客さまに提供できる。こうしたKDDIならではの取り組みに、大きな意義を感じました。
伊藤:スタッフとして参加して、普段の業務では見えづらいお客さまの存在をとても身近に感じることができました。笠原さんがお客さまのケータイのパスワードをみんなで考えたと言っていましたが、参加したスタッフは「お客さまに喜んでいただきたい」の一心で一体となりイベントに取り組んでいます。その姿勢はお客さまにも伝わり、KDDIを身近に感じていただくことができたのではないかと思います。