技術・サービス
2025/11/28
AWS全冠エンジニアが語る、成長を後押しする
KDDIの挑戦環境

KDDIでは数多くのITエンジニアたちが切磋琢磨しながら新技術の開発に取り組んでいます。世界有数のパブリッククラウド「アマゾン ウェブ サービス (AWS) 」においてトップクラスの資格認定を得た2人に、「エンジニアが成長するKDDIの挑戦環境」についてお伺いしました。
目次
■インタビュイー略歴
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御田 稔
- グループ戦略本部KDDIアジャイル開発センター テックエバンジェリスト
「2025 Japan AWS Top Engineers」「2025 Japan All AWS Certifications Engineers」選出
KDDI 情報システム本部でAWS移行案件を多数経験後、現職。内製開発、プリセールス、技術コンサルティングなどを担当。AWS Hero、AWS Samurai 2023/2024認定。著書に『Amazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門[AWS深掘りガイド]』などがある。
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小林 峻
- 先端プラットフォーム開発本部 コミュニケーションプラットフォーム部
「2025 Japan All AWS Certifications Engineers」選出
入社後、モバイル開発本部でVoLTE-IMSの開発や音声コア付帯設備の開発を担当。現在は、携帯や固定回線契約、金融サービスなど多様な領域のデータを横断的に活用するデータ照会基盤『JOINT』のAPI開発を担当し、「auマネ活プラン」などのサービス連携を支えている。サービス拡大に伴い、「ビジネスを止めないAPI提供」を実現するためのアーキテクチャ変革に従事中。
AWSの専門知識を学び、クラウド移行を最適化する

AWSとの出会いと資格取得の経緯を教えてください。
御田:私がKDDIにキャリア入社し、情報システム本部へ配属になった2019年当時は、パブリッククラウドの黎明期でした。何の前例もない中、先輩方が社内の規約を整理してくれたおかげで、私もベストプラクティスを探る中でアマゾン ウェブ サービス (以下 AWS) について学び始めることができました。
担当した業務のひとつに、auショップなどの店舗で接客スタッフが使用する契約管理システム「ORANGE」をAWSに移行する仕事がありました。自社サーバーからAWSにそのまま移行するのであれば技術的に難しくないのですが、費用がかさんでしまいます。AWSにはさまざまなサービスがあるので、従来のシステムの機能をより適したサービスに移行できれば、より安価に、そして高性能なシステムとしてリニューアルができるのです。パートナーのベンダー企業とともに業務を進めるうえでも、AWSの専門知識について学ぶ必要がありました。
小林:私は2018年に新卒入社したのですが、モバイル開発本部で4年半、通信の重要な部分に関する業務を経験した後、情報システム本部に異動となりました。アプリケーションの開発や保守管理の担当となったのですが、グループのメンバーやパートナー企業のSEさんとの会話で出てくるAWSの専門用語についていけなくて、勉強を始めました。最初に基本的な知識が学べる資格認定SAA(AWS Certified Solutions Architect – Associate)を取得してみると、会話についていけようになり、パートナー企業への提案にも応用できる、仕事ですぐに使える資格認定だと実感しました。
御田:AWSにはエンジニアが情報を共有するコミュニティがあり、私は社外で発表したり、ブログを書いたりといった活動がきっかけで「AWSコミュニティビルダー」に認定されました。所属企業に関係なく、コミュニティへの知見共有に貢献した人が認定されるプログラムです。
調べてみたら、KDDIのようにAWSと組んでクラウドを販売する会社の技術者は「Japan AWS Top Engineers(以下、トップエンジニア)」という称号を得られることを知りました。その資格条件として、AWSの資格取得(All AWS Certifications、以下AWSオールサート)が必要でした。手始めにいくつかの試験を受けて合格できたので、週に2つの試験を受けながら、2024年度に全冠を達成し、トップエンジニアにも選ばれました。
実は、私アンチ資格試験派なんです(笑)。取っ掛かりとして基本的な資格を取得するのは良いことですが、ベースが理解できたら手を動かしていった方がいいと思っています。でも、AWSの資格試験は業務に直結するベストプラクティスを聞く問題ばかり。翌日からの業務に生かせる実践的な知識が得られる点が他の資格試験と異なりますね。
小林:私も最初は全冠取得する気はまったくなかったのですが、業務に関係ありそうな資格を3つほど取得したところで、上司から「全冠に挑戦してみては?」と後押ししてもらいました。
私は、まず試験に申し込んで、逆算して勉強を進めていくタイプですが、業務と試験勉強の両立は難しく、どうしても平日に勉強時間を確保したい場合があります。そんな時は半休を取得するのですが、グループのメンバーときちんと業務シェアができているので快く送り出してもらえました。加えて、所属する部門において、受験料、参考書や問題集の購入費への補助があるので誰でも受けやすい制度が整っています。
挑戦への賞賛は、言い方を変えれば、「目的を達成するなら、手段は問わない」ということ。システムを更新する際に変更を行わない「既存踏襲」を選ぼうものなら、「きちんと考えていますか?」という厳しい指摘が入ります。新しい技術やサービスを使いながら、常に創造的に仕事をしていく。それがKDDIのエンジニアに求められる仕事への姿勢です。
挑戦を賞賛し、知見を共有するKDDIの企業文化

KDDIにはエンジニアが成長する環境がありますか?
小林:成長機会はありますね。挑戦を賞賛する文化があるので、そういったことからも後押しされていると思います。私もAWSオールサートを目指す途中で経過を報告したときに、思っていたよりも褒めてもらい、それがまた次の試験へのモチベーションになりました。得た知識を業務に生かしたり、自分が挑戦した内容を社内で発表する機会も多いと思います。
御田:エンジニアは基本的に技術を習得するのが好き。いわば知的好奇心が旺盛です。自分が理解したこと、知ったことは誰かと共有したくなるし、人の話も聞きたくなります。AWSコミュニティで、その情報共有が起きれば、AWSも含めてみんながWin-Winになりますからね。
社内では「KDDIクラウドユーザーグループ(KCLUG)」があり、参加者は2,000人以上に上ります。クラウドの導入を推進した先輩方が立ち上げたもので、Teamsのグループで情報交換をしたり、社内で勉強会をしたりしています。
小林:KDDIの社員にはAWSを活用して何かよいサービスをつくり出したいという意欲あふれる方が多いので、企画や人事など技術部門以外の方もたくさん参加しています。通常の業務では接点がない部門の方とも、つながりが生まれています。
称号獲得で高まる自分への期待感が成長を促す

AWSオールサートを取得してからどのような開発を手掛けましたか?
御田:法人向けビジネス部門の部門長をAI化したアプリを開発しました。法人営業のメンバーは、顧客へ提案をする際に部門長の意見を聞きたいけれど忙しくてその時間をもらえない。そこで、部門長の考えていることを近しい社員にナレッジ化してもらい、それを学習させて顧客向けのパワーポイント提案書をレビューできるようにしました。
プロトタイプの開発期間は2週間。このスピード感もAWSだからこそです。自社サーバーであれば、まずサーバーの確保に数ヶ月。しかし、AWSであればクラウド上に必要なインフラをすぐに確保できるし、開発者向けのAI機能も充実しています。LLM(大規模言語モデル)の活用においても、GPUなどの確保を気にせず最低限の費用で実証実験の環境が整うので、新たなシステム開発、アプリ開発のハードルが大きく下がったと思います。
小林:KDDIの基幹システムには膨大なデータベースがありますが、リアルタイムでサービスを提供しておくために、そのデータをすべてAWS上に複製して、基幹システムの代わりにオンラインで処理を行えるシステムを開発しました。AWSの新しいサービスを活用してシステムを構築することで、運用コストも安くなるし、AWSの進化に応じて当社のシステム性能や可用性も高まっていきます。それが、クラウドの面白いところですね。AWSオールサートを取得して、知識の引き出しが増えたと実感しています。
それと、以前よりも周囲から頼ってもらえるようになりました。依頼される業務の難易度が高まっていますが、やりがいもありますね。今まで参加していなかった会議にも呼ばれるようになり、閲覧できる資料も増え、知識がどんどん増えています。
御田:資格やアワードを取得した時は「自分ってそんなにすごいのかな?」と思いつつも、周りからそう見られることで、おのずと近づいていく「ピグマリオン効果」がありますよね。私は、AWSコミュニティビルダーの他に、AWSに関する技術知見の共有によって世界規模で大きな影響を与えたとして「AWS Hero」にも選ばれました。世界に200人ほどしかいない称号で、年2回アメリカに招待されてカンファレンスに出席し、AWSが開発している技術について聞いて、その内容を議論するので久しぶりに英語を勉強しています。新たなことが周りから降ってくる感じですね。
旬の技術へのあくなき追求心が未知の世界をひらく

今後、どのようなエンジニアを目指していきますか?
小林:AWSをより深く使いこなしたいですね。時間がかかる処理を待っている間に、他の処理を先に進める非同期技術を活用してお客さまの体験価値が向上するような仕組みを作ったり、AIを開発サイクルに取り入れることでサービス企画を上流で検討することにも貢献できるエンジニアになりたいです。自分一人だと達成できることに限界があるので、チームビルディングや、パートナー企業さんとの良好な関係も大切にしながら目標の実現を目指しています。
御田:入社以来、パブリッククラウドの活用に取り組んできました。今は、AIエージェントの活用に注力しています。先ほどの営業の部門長のAI化もそうですが、AIエージェントを活用すればさらなる価値を生み出すことができます。「AI×AWS」を軸に顧客企業に価値を提案していきたいです。
私はずっと「3年後、5年後のなりたい自分」を描くのが苦手だったので、直近で楽しそうなことをやっていたら、思いがけないことができるようになっていました。これからも旬で価値のある技術を注視していきたいです。

























