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カルチャー

2025/11/28

「サステナビリティ経営」って何?
KDDIの戦略と実践は、事業のその先へ

「サステナビリティ経営」って何?<br> KDDIの戦略と実践は、事業のその先へ

KDDIでは、「企業価値の向上」と「社会の持続的成長」の好循環を実現する「サステナビリティ経営」を推進しています。その企画立案と浸透に奮闘する2人にサステナビリティ経営の意義、具体的な実践例、業務を通じた挑戦について聞きました。

目次

■インタビュイー略歴


林 暢彦

林 暢彦

サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部
2017年新卒入社。パートナーコンサル(代理店営業)としてauショップ担当、家電量販店本部担当を経験し、現職へ異動。KDDIグループ全体のサステナビリティ経営に関する企画に携わる。企業として取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の特定や、中期目標であるサステナビリティKPIの策定・管理、事業活動がもたらすソーシャルインパクトの可視化などを通じた企業価値の向上をミッションとしている。
三室 志帆

三室 志帆

サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ推進部
2023年OPENコース(業務系)で新卒入社。サステナビリティ推進部に着任し、サステナビリティ経営推進における社内外とのコミュニケーションを担当。社外に対しては当社の取り組みがもたらすソーシャルインパクトの発信を行い、社内においてはサステナビリティ経営の浸透だけでなく、ソーシャルインパクトを意識した業務の促進にも従事している。

企業価値の向上と社会の持続的成長の好循環を実現する「サステナビリティ経営」

まず、通信事業者としてのKDDIがサステナブルな社会を実現するために取り組むべき大きな課題は何でしょうか。

林:サステナビリティ経営で取り組むべき課題はいろいろありますが、例えば、通信を支える基地局やデータセンターは多くの電力を消費するため、環境への負荷は大きな課題の一つと認識しています。KDDIでは、その環境負荷を低減するために、再生可能エネルギーの活用と省エネルギーの推進という両面から脱炭素化に取り組み、2030年度までにKDDIグループにおけるカーボンニュートラル、2040年度までにKDDIグループのサプライチェーン全体におけるネットゼロ*の実現を目指しています。
※ネットゼロ:KDDIグループのCO²排出量に加え、サプライチェーン全体からのCO²排出量を実質ゼロにすること

具体的な取り組みの一例として、2026年1月下旬に大阪府堺市でAI対応の大規模データセンターの稼働を開始する予定になっています。この施設では、再生可能エネルギーを100%利用することで、稼働当初からカーボンニュートラルを実現する計画です。

大阪堺データセンターのイメージ

<大阪堺データセンターのイメージ>

また、携帯電話端末のリサイクルにも積極的に取り組んでいます。使用済みの端末には金や銅などの貴重な金属が多く含まれており、KDDIでは、それらをauショップなどで回収し適切にリサイクルすることで、限りある資源を大切にし、循環型社会の実現に貢献しています。

事業の成長とともにエネルギーや資源の消費量も増加していきます。だからこそKDDIは環境負荷の低減と事業成長を両立させるために、全社的かつ戦略的に「サステナビリティ経営」を推進しなければなりません。

KDDIグループの目指すサステナビリティ経営の基本的な考え方について教えてください。

三室:当社では2030年を見据えたビジョン「KDDI VISION 2030」において、「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を掲げています。その実現に向け、現在の中期経営戦略(2022~25年度)の中軸に据えているのが、「サステナビリティ経営」です。

KDDI VISION 2030のイメージ

当社の事業活動は健全な環境・社会があってこそ成り立つという考えのもと、パートナーの皆さまとともに「企業価値の向上」と「社会の持続的成長」の好循環を目指します。
「サステナビリティ」という言葉は「地球・社会に良いことをする」というイメージが強く、どこか「きれいごと」に思われてしまう部分が少なからずあると思います。
しかし、サステナビリティ経営の本質は、事業を通じて社会課題を解決しながら収益もしっかり生み出して、パートナーの皆さま・社会への還元や次世代への投資へとつなげていく好循環を築いていくことにあると考えています。

サステナビリティ経営のイメージ

サステナビリティ経営の実践例を教えてください。

三室:例えば、衛星ブロードバンド「Starlink」を活用した山間部・島しょ部・海上や被災地での安定した通信環境の整備などが挙げられます。Starlinkでは、通信がつながりにくい環境でも、従来の衛星通信サービスと比べて大幅に高速で低遅延のデータ通信を実現できます。また、災害時に基地局が被災し通信が途絶えてしまっても、Starlinkの技術を活用することによって通信手段の確保や災害復旧の早期化が可能になります。

さらに、「Starlink×ドローン」を地方自治体に提供することで、地域防災の取り組みも行っています。一例ですが、徳島県とKDDIは、平時から南海トラフ地震に備え、AIドローンやStarlinkなどを活用した地域防災の展開や県防災訓練の実施など、防災DXに取り組む包括連携協定を締結しました。
このようにKDDIではAIドローンとStarlinkの全国への配備を進め、どこへでも10分以内にAIドローンが遠隔操縦で駆けつけられる社会基盤づくりを目指しています。

これらは、「つなぐ」というKDDIの通信事業そのものが、パートナーの皆さまとの協業を通じ、日常の利便性や非常時の不安解消といったソーシャルインパクトをもたらしている、サステナビリティ経営の実践事例といえると思います。

Starlink

「ソーシャルインパクトの可視化」へ挑戦

サステナビリティ経営を推進していくにあたり、挑戦したことを教えてください。

林:サステナビリティ経営を推進していくうえで、私たちが挑戦した取り組みの一つとして「ソーシャルインパクトの可視化」が挙げられます。

KDDIでは、スマートフォンを中心としたビジネスに加え、法人向けのIoTビジネスにも注力しています。現在、5,104万回線(2025年3月期)が自動車、セキュリティ、電力・ガスなどの幅広い業種に提供されており、モノをネットワークにつなぐことで生活やビジネスに新たな価値を創出しています。しかし、そのようなポジティブな影響は目には見えにくく、実感されにくいため、社会的価値をより具体的に伝える手段としてインパクト加重会計*という手法を用いて「ソーシャルインパクトの可視化」に取り組みました。
※インパクト加重会計:アメリカのハーバードビジネススクールのセラフィム教授らが提唱している新しい会計手法であり、サステナビリティなどの取り組みで発生する環境や社会へのプラスとマイナス両方の影響(インパクト)を測定し、金額換算を実施すること

IoTの提供が社会にどのようなインパクトをもたらしているのか、定量的に可視化した結果、「交通事故時の緊急通報による被害軽減効果」、「ホームセキュリティ利用による火災起因の死亡回避効果」、「電気・ガス検針自動化による生産性向上効果」をはじめとしたソーシャルインパクトは、6,461億円(2025年3月期)と算出されました。

この取り組みについては、社外からも「IoTというサービスの仕組みはこれまでよく理解できていなかったが、価値を含めて理解が深まった」といった反響をいただきました。このようにKDDIは、国内企業の中でも早い段階からソーシャルインパクトの可視化に取り組んでいます。

「サステナビリティ経営」のさらなる発展を目指して

サステナビリティ経営を社内に浸透していくにあたり、苦労されたことは何でしょうか?

三室:これまで研修や社内報、各部門とのコミュニケーションなど、さまざまな施策を通じてサステナビリティ経営の浸透を図ってきました。ただ、活動の成果はすぐに現れるものではないですし、「サステナビリティ経営」自体が抽象的で自業務と結び付けにくい、と捉えられてしまいがちです。そのため、それぞれの施策が社員の意識・行動変容にどれだけ寄与しているかが分からないという壁に突き当たり、心が折れそうになることもありました。

そんな中で、先ほど紹介したソーシャルインパクトの可視化の取り組みは、社員からも「事業の取り組み意義が明確化されることでサステナビリティ経営と自身の業務のつながりがより明確になった」といったポジティブな声が寄せられ、社員の意識向上にも寄与する一つの鍵となりました。

今後はどのようなところに力を入れていきますか?

三室:グループ会社のサステナビリティ推進担当者と連携し、KDDIグループ全体へ取り組みを広げはじめています。事業内容や規模はさまざまなので、時間はかかると思いますが、丁寧にコミュニケーションを取りながら、それぞれの現場で働く人に寄り添ってサステナビリティ経営の浸透を粘り強く続けていきたいです。
その先には、業務のやりがい向上、パフォーマンス向上といった社員にとってもポジティブな変化がもたらされると思っています。その結果、KDDIグループとしてより多くのソーシャルインパクトを生み出し、それを発信していくことで、より多くの皆さんから「KDDIで働きたい」と思ってもらえたら嬉しいです。

林:これまで「社会課題への対応」として位置づけられることが多かったサステナビリティを、今後は「事業成長の原動力」として、より高度な経営戦略へと発展させていきたいと考えています。

その実現に向けて、グループ全体で6万人を超える社員一人ひとりが、日々の業務を通じて自発的に社会や環境の価値を意識し、主体的に考えられるような環境づくりを進めていくことが重要だと考えています。

また、KDDIが掲げる「夢中に挑戦できる会社」という目指す姿の一つに、「つなぐチカラを世界に広める」というものがあります。日本で培ったドローンをはじめとする社会課題解決に貢献する取り組みを通じて、その価値を海外にも広げ、さらなるサステナブルな社会を実現していきたいと考えています。

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