カルチャー
2023/10/25
公立高校×au PAYで「キャッシュレス学園祭」
キャッシュレス決済がすっかり身近なものになった今、お小遣いもキャッシュレスの時代へ。今年6月、兵庫県立芦屋高等学校でau PAYを導入したキャッシュレス学園祭が開催されました。西日本の公立高校でキャッシュレス決済ができる文化祭の実施は初めてでした。実現に至るまでの経緯や、狙いについて、担当した二人が語りました。
目次
■インタビュイー略歴
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元岡 優
- KDDIパーソナル事業本部 マーケティング統括本部 パートナービジネス統括部 パートナー企画部 マーケティンググループ
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上原 さおり
- auじぶん銀行 経営企画本部 広報部
金融教育の一環としての“キャッシュレス学園祭”
au PAYを学園祭に導入したのは今回が初めてですか。
元岡:2022年に日大三島高等学校と木更津総合高等学校で導入しています。今回の芦屋高等学校は西日本の公立高校としては初めてのキャッシュレス学園祭でした。
今回は、どのような経緯で実現に至ったのでしょうか。
元岡:きっかけは芦屋高校の生徒さんたちが他校の学園祭での新たな取り組みに影響を受け、今までの学園祭の課題を解決するスマートで新しいことに挑戦したいと、先生に相談されたことです。他校では金券をExcelで管理したり、独自でPAYを開発したりしていました。芦屋高校は普段はスマホが禁止されていますが、キャッシュレス学園祭をしてみたいという生徒さんの声があったそうです。
先生も金融教育の一環としてやるならいいだろうと情報収集したところ、日大三島高校の事例を見つけ、当社に声を掛けてくださったそうです。auじぶん銀行さんにもお声掛けして、学園祭当日のさまざまなフォローと金融教育とのパッケージとして提案し、au PAYが採用されたのが経緯です。
当初は学校でのスマホ利用に対し反対する先生もいらっしゃったのですが、職員会議にも参加し、スマホの賢い使い方を学んでいただく機会として「KDDIスマホ・ケータイ安全教室」を提案したり、十分なサポート体制を説明したりして、実施に至りました。
どんな思いでau PAYキャッシュレス学園祭に取り組みましたか。
元岡:学園祭の課題である返金や集計等の効率化や、現金持ち歩きのリスクへの低減などのソリューションはもちろんですが、生徒さんたちがキャッシュレスを体感し、お金の管理を学ぶことで、教育とテクノロジーの融合による次世代の育成につなげたいという思いがありました。
上原:auじぶん銀行は、これまで小学生を対象とした金融授業や、「auじぶん銀行劇場金融昔ばなし」というアニメのコンテンツ展開、福岡銀行と共同でキッザニア福岡への出展などを行なってきました。そして今後は小学生から中高生へと対象を広げていきたいと考えていたタイミングで、芦屋高校で授業を開催することになりました。ぜひ高校生の金融教育に貢献したいと思っています。
「生徒主体でKDDIと文化祭を作り上げる」にこだわる
学園祭当日までには、具体的にはどんなことをお手伝いしたのでしょうか。
元岡:当日に「au PAYブース」を設置したのですが、初めてau PAYを使う方のフォローやチャージカードの販売のほか、生徒さん主体でKDDIと文化祭を作り上げるという点にこだわり、イベントを企画しました。生徒さんと一緒に抽選会を企画し、賞品としてオリジナルバッグを制作したり、当日もブースのお手伝いをしていただき、職場体験のような機会にもなりました。
ミーティングでは、我々では想像もしなかったようなアイデアがたくさん出て、参加していた営業担当者はジェネレーションギャップもあり、大いに刺激を受けたようです。
▲au PAYブースは、生徒さんが主体となって運営
上原:学園祭の翌月に、振り返り授業として全校生徒を集めて、auじぶん銀行の金融教育授業を実施しました。「今、高校生に伝えたいお金の話」をテーマに、若いほど効果的に投資ができる可能性があることやキャッシュレス決済のデメリットも伝え、賢く利用することを呼びかけました。多くの生徒が授業へ熱心に耳を傾けていて、金融授業に対する関心が非常に高いことに驚きました。
▲学園祭の後行った金融教育授業の様子
金融・テクノロジー×教育のアイデアを広げたい!
今回の取り組みで印象に残っていることをお聞かせください。
元岡:今回、8割が新規の利用者でしたが、子どもたちはまったく抵抗なく使いこなしていたのが印象に残りました。これまで大人向けにスマホの使い方をサポートしてきましたが、若い世代では確実に感覚が変わっていることを実感しました。
また、西日本の公立高校初のキャッシュレス学園祭ということで、複数のメディアにも取り上げられた他、芦屋市の高島市長が視察に来てくださいました。
▲西日本の公立高校初のキャッシュレス学園祭として、メディア取材も受けました
上原:2022年4月から金融教育が必修になり、高校の家庭科の授業に組み込まれているのですが、ご自身で投資の経験がない先生もいるので、教科書に書いてあることを教えるだけでどうしたものかと悩んでいらっしゃるそうです。こうして授業を提供するなど金融機関として少しでもお力になりたいです。
今後の取り組みや抱負を教えてください。
元岡:au PAYでは、加盟店さまはもちろん、自治体や商工会もキャンペーンを実施してきましたが、今回新たに学校との接点も創出できました。文化祭だけでなく、金融・テクノロジー×教育という分野での施策を考え、どんどん実行していきたいと思います。
上原:これまでauじぶん銀行の中だけで金融教育の機会を模索していましたが、今回KDDIと一緒に活動して視野が大きく広がりました。グループ連携の強みを実感しています。これからも「金融」の軸で社会により貢献していきたいと思います。
元岡:今回は、学園祭のキャッシュレス化にとどまらず、学校側からスマホ利用の課題や金融教育の必修化などのキーワードをいただき、他部署やグループ会社を巻き込んだトータルコーディネートをすることができました。私自身、ひとつの視点からでなく、いろいろなヒントを見つけてアイデアを組み合わせるようなことができたので、やりがいにつながりました。組織としても多彩な視点を持てば、多くのイノベーションが生まれると信じています!