キャリアについて聞かせてください。
私は学生時代に東日本大震災を経験しており、家族と3日間連絡が取れず、通信が「つなぐ」チカラの大切さを痛感しKDDIに入社を決めました。
最初はKDDIネットワークの運用部門に配属となり、そこでデータサイエンティストとして6年間、リソース管理やトラフィック分析に従事していました。
2020年に「KDDI DX University」という社内研修に参加したことをきっかけに経営企画部門に異動し、働き方データやヘルスケアデータを活用した新たなプロダクト開発や事業創造に取り組みました。その当時は、会社を代表してPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)というヘルスケアデータの標準化団体にも参加していました。
2022年からは現所属部門にて、全社的なデータ戦略の策定、社員のデータ分析支援・教育、データマネジメント推進、社内コミュニティ活動の推進などを行っています。
プロジェクトや普段の仕事で成長した点を教えてください。
データサイエンスの基礎的な知識は、ネットワーク運用部門で学びました。もともと学生時代にはその経験がなかったのですが、auの基地局やそれらをつなぐネットワーク設備からさまざまなデータが生み出され、実務のなかで日々活用されていたので、自然と知識が身に付いていきました。
経営企画部門に異動してからは、データ活用を前提とした全社プロジェクトを多数経験したことで、全体を俯瞰して整理する力や、社内のキーマンを巻き込むための影響力、経営層を説得するためのプレゼンテーション力など日々成長していることを実感しています。

今後挑戦しようとしていることは何ですか?
KDDIが保有するデータを全社員が理解して活用できることを目指し、データ活用業務における暗黙知を形式知に変換する取り組みを進めています。例えば、au PAYに関するデータ活用のノウハウは、当然、au PAYの担当者が一番詳しいですが、その情報をカタログ化して公開することで、他部門の社員がau PAYのデータを活用し、自身の担当サービスと組み合わせた新しい価値が創造できるかもしれません。
データ活用のノウハウを形式知にしていくことは、社員だけでなく生成AIのデータ理解にもつながっていきます。KDDIのデータをすべて理解した生成AIが誕生したとき、予想もしなかったイノベーションが起こせるのではないかと思っています。