最勝寺 奈苗

DE&Iリーダーインタビュー

KDDI”女性初”の役員が語る
「お互いの違いを認め合うことが、
ダイバーシティの第一歩」
最勝寺奈苗
取締役執行役員常務 CFO コーポレート統括本部長
CAREER STEP
1988年
第二電電入社(現KDDI)
2003年
KDDI渉外・広報本部IR室長
2011年
経営管理本部 財務・経理部長
2014年
理事 経営管理本部 財務・経理部長
2020年
執行役員 経営管理本部長
2022年
執行役員 コーポレート統括本部 副統括本部長 兼 サステナビリティ経営推進本部長
2023年
執行役員常務 CFO コーポレート統括本部長
2024年
取締役執行役員常務 CFO コーポレート統括本部長

KDDIでは、経営戦略の一つとして「女性活躍」を推進しています。
出産・育児などのライフイベントを迎えても継続して働ける環境を整え、女性リーダーの育成にも取り組んでいます。
今回は、KDDIで女性初の役員に就任した最勝寺さんに、これまでのキャリアや仕事観をはじめ、KDDIならではの職場環境の魅力について話を聞きました。

インタビューは2022年時点での内容になります。

PROFILE

最勝寺奈苗
取締役執行役員常務 CFO コーポレート統括本部長

大学卒業後、出版社に就職し経済誌の編集業務に携わった後、1988年第二電電(現KDDI)入社。経営管理部、IR室長、財務・経理部長などを経て、2014年にKDDIで女性初となる理事(役員)就任。2020年執行役員 経営管理本部長就任。2022年に執行役員 コーポレート統括本部 副統括本部長 兼 サステナビリティ経営推進本部長を経て、2023年執行役員常務 CFO コーポレート統括本部長、2024年より取締役執行役員常務として現職に就任。

誰が見ても美しく、
気持ちよく感じてもらえるような
仕事をしたい。

最勝寺 奈苗

最勝寺さんは、2014年にKDDIで女性初となる理事(役員)に抜擢されました。第二電電に入社された当時から現在に至るまでの自身のキャリアは、どこまでイメージされていたのでしょうか。

正直、役員を拝命するとは想像もしていなかったです。第二電電に入社したのは、前職の出版社から転職する際に、「この会社がいいんじゃない?」と広告営業をしていた知人からすすめられたことがきっかけでした。当時は女性が企業に就職しても、結婚や出産を機に退職するのが当たり前の時代だったので、第二電電が何をやっている会社なのかも特に意識しないまま入社しました。電話で内定通知をいただき、「経営管理部に配属です」と言われた時には、口頭だったためその言葉を聞き取れず、「“軽”管理部?軽い管理部なのかな?」と思っていたくらいでした(笑)

入社当時から変わらない仕事に対するモチベーションや価値観はありますか?

自身の仕事観として、「お給料をいただく以上、仕事をまっとうすることは当然。むしろお給料以上の働きをすること。悩みや苦しみも仕事の一部」という考えがあり、現在のキャリアも、あまり先のことは考えずに目の前の仕事に一つ一つ向き合ってきた結果なのかなと思っています。特に印象に残っているのは、経営管理部に在籍していた時、当時の経理部長に「きみの働く姿は美しいね。見ていて気持ちがいい」と言われたことがありました。今思えば一心不乱に仕事をしていただけなのですが、その言葉が自分にとってはターニングポイントになりました。ただ漫然と仕事をするのではなく、”誰が見ても美しく、気持ちよく感じてもらえるような仕事をしたい”という気概を持って、現在も仕事に向き合っています。また、子どもを授かってから、子どもにとって尊敬できる母親であり、社会人でいたいと思うようになったことも、仕事の活力になっていますね。

時代の潮流を捉え、
柔軟に変化し続けてきたKDDI。

最勝寺さんは、KDDIで初めて育児休職を取得された方でもあります。規定がなかった当時、どのように育児休職を取得したのですか?

「この会社なら結婚してからも仕事を続けられる」と思えたのはよかったのですが、子育てと両立する上では、産休だけではカバーできないと感じていました。保育園の最大の入所機会である4月まで時間が必要だったため、「育児休職を取らせてください」と勇気を出して上司に相談してみました。その後多くの社員たちがライフイベントを経験して働き続ける上でも、育児休職規定は整備されるべきだと考えたのです。こうして育休取得制度が導入されることになりましたが、それを実現できたのは当時の上司が強力にバックアップしてくださったおかげでもあります。

KDDIには、そういった社員の声に耳を傾ける風土が根付いているのでしょうか。

社風以上に、世の中がKDDIをどう見ているかという目線に、いい意味で敏感な会社であることが大きいと思っています。時代の変化についていけない会社は自然と淘汰されていってしまうので、時代の潮流を捉え、先へ行こうとする力があるのは疑いようがありません。実際に、長らく「女性活躍」の推進を謳っていますし、私が入社した当時に比べれば福利厚生・制度面も格段に充実してきましたから。育休に関して言えば、取得率・復職率は年々上がっていて、2021年度の実績では男女ともに復職率が100%になっています。

最勝寺 奈苗

仕事において、
性別を主語にする違和感。

KDDIは「女性活躍」の推進を経営戦略の一つに掲げていますが、最勝寺さんは「女性活躍」に対してどのようなお考えをお持ちですか?

世の中の企業にまだまだ女性役職者が少ないという現状を見ても、女性が働きやすい環境整備を進めることには大賛成です。ただ一方で、仕事の中で「女性」「男性」を主語に区分することに少し違和感を持っています。例えば、社員を評価する際に「女性だから」「男性だから」といって評価内容を変えるなんてことはもちろんしないですし、そこにあるのはあくまでも「人として」「社員として」の評価でしかありません。つまりは、性別にかかわらず、誰もが仕事を通してやりたいことや実現したいことを発信できて、自ら進む道を選択できる状態こそが仕事において最も大事だと思うのです。「女性活躍」と言われると、「女性は活躍していないから頑張れ」と言われているようで、私からすると「男性も頑張れ」であり、「社員として頑張れ」なんですよ。

最勝寺さんがそのような考えを持つようになったのには、何かきっかけがあるのでしょうか。

幼少期から男性が多い環境にいたことで、学業、スポーツ、仕事をする上で性差を意識したことがあまりなかったことが一つ。それに加えて実際に育児を経験したことが大きいですね。子育てをしていると、「こんな風に育ってほしい」と親は思いますが、それが100%親の希望通りになることなんてまずありません。この状況は、仕事における社員に対してもまったく同じだと思います。「こうしてほしい」と言葉にするのは簡単ですが、目の前の社員が「こうしたい」と、主体性をもって仕事に取り組めるようにするにはどうすればいいか。その正解は男性・女性にかかわらず人それぞれ違いますし、そもそも正解なんてないかもしれません。だからこそ、まずは一人ひとりが異なることをしっかりと理解した上で、お互いの違いを認め合うことが大事だと思っています。それこそが、本当の意味での女性活躍、ひいてはダイバーシティの実現にもつながっていくはず。誰一人として、幸せの形が同じことはないはずですから。

KDDIを知り、KDDIを好きになり、
仲間になってほしい。

最勝寺 奈苗

最後に、KDDIへの入社を検討している方々に向けて、最勝寺さんからメッセージをお願いします。

KDDIは、変化の激しい社会や経済の荒波に乗り、「組織力」を生かしながら前進し続けている会社です。仕事を通じて人間力を高められることはもちろん、周りのメンバーとともに成長しつつ、喜びまで分かち合える環境だと思っています。もしもKDDIで働きたいと思ってくださるなら、まずはぜひKDDIのことをよく知り、KDDIのことを好きになってください。また、結婚・出産・子育てといったライフイベントは、仕事においても経験として大きな武器になります。そういったライフイベントを経験しながら、仕事も続けていきたいという方であれば、KDDIのいろいろな制度を活用してほしいと思います。あなたの望むキャリアや人生を叶えるステージとしてKDDIを選んでくださるのであれば、これほど嬉しいことはありません。