技術・サービス

2023/07/21

「αU」始動!
リアルとバーチャルが「もう、ひとつの世界。」に

「αU」始動!<br> リアルとバーチャルが「もう、ひとつの世界。」に

2023年3月7日、KDDIのLX(ライフトランスフォーメーション)サービス「αU(アルファユー)」が始動しました。現実と仮想を軽やかに行き来する新しい世代に寄り添い、誰もがクリエイターになりうる世界に向けた、メタバース・Web3サービスです。それぞれのサービスを担当する社員の皆さんにサービスにかける思いをお聞きしました。

目次

■インタビュイー略歴


武田 裕子

武田 裕子

事業創造本部 Web3推進部 1G
「αU」事務局
>市川 達也

市川 達也

事業創造本部 Web3推進部 2G
「αU metaverse」担当
水田 修

水田 修

事業創造本部 XR推進部 サービス・プロダクト企画1G
「αU live」担当

現実と仮想、そして世界がつながる「αU」

現実と仮想、そして世界がつながる「αU」

「αU」とはどのようなサービスでしょうか

武田:メタバース・Web3のサービス群を総称したものです。「αU metaverse」をセンターに、「αU market」「αU wallet」「αU place」「αU live」の5つのサービスがあり、さらに、関連サービスとして、「au Design project」発のNTFストア「αU doadp」もあります。

現実と仮想、そして世界がつながる「αU」

「αU」は、どのような着想から誕生したのでしょうか。

武田:KDDIは4年前から、クラスター社とともに都市連動型メタバース「バーチャル渋谷」を構築し、音楽ライブやアニメ・漫画キャラクターのトークショーなど、新しいエンターテインメントを形成してきました。

「αU」のターゲットは、Z世代のお客さまです。Z世代のインサイトを人気アーティストの歌詞やイラストレーターの創作背景、当人たちからのヒアリングなどから調査すると、現代社会の生きづらさを抱えていて、現実逃避したいという思いがあり、現状は居場所をスマホ内のSNSに求めていることが分かりました。

常にスマホを通じて、リアルとバーチャルの世界を行き来しているZ世代にとって、2つの世界は別々に存在するのではなく、すでにひとつの境目のない世界として捉えていると仮定し、コンセプトを「もう、ひとつの世界。」にしました。他のメタバースのサービスは、新しい世界を訴求していることが多いですが、KDDIは境目のない世界にこだわっています。

「αU」の立ち上げに際し、印象に残っていることはなんですか。

武田:新しいブランドの立ち上げということで、かなりの重責でしたがやりがいも大きかったですね。私自身がZ世代ではないので、ターゲットの気持ちが分かりづらいという課題はありましたが、リアルな声を聴きながらブランディングを進めました。新しいテクノロジーに触れたり、Z世代のカルチャーに触れることができて、とても新鮮でした。

「αU metaverse」 新しいコミュニケーションのカタチが、ここにある

「αU metaverse」 新しいコミュニケーションのカタチが、ここにある

メタバースとは、そもそもどういったものなのでしょうか。

市川:ゲームの世界では既に経験している人も多いのではないでしょうか。例えば、大ヒットゲーム「あつまれどうぶつの森」もメタバースの一つと言われています。映画でも「サマーウォーズ」や「竜とそばかすの姫」などはまさにメタバースを舞台としていますし、こんな世界があったらいいなとワクワクされた方もいるのではないでしょうか。世界観としては、SNSも近いと思います。リアルの友だちとやりとりすることもあるし、別人格の自分がいることもある。SNSはテキストだけのコミュニケーションですが、メタバースではアバターになってリッチなコミュニケーションができます。

「αU metaverse」とはどんなサービスでしょうか。

市川:スマホのアプリをダウンロードし、自分のアバターがスマホ上の仮想空間に飛び込み、アバター同士の会話や各種イベントなどを楽しめるサービスです。仮想空間には渋谷や大阪の街が再現されています。街中の居酒屋で初対面の人同士語り合ったり、バーで占いをしてもらったり、自由にコミュニケーションを楽しめます。この仮想空間で友だちやコミュニティを作ったり、自分の部屋を好きなように飾ったり、将来的にはアイテムを作って販売することもできるようになります。

「αU metaverse」の画面。バーチャル渋谷を散策したり、アバター同士のコミュニケーションができる

▲「αU metaverse」の画面。バーチャル渋谷を散策したり、アバター同士のコミュニケーションができる

「αU metaverse」のこだわりはありますか。

市川:他社のメタバースでは、コミュニケーションの手段としてテキストチャットがよく使われていますが、「αU metaverse」では感情をリッチに伝えられる音声での会話にこだわりました。アバター同士の距離で会話が聞こえたり聞こえなかったりするので、リアルにより近いコミュニケーションを行うことができます。

これまでに印象に残っていることはありますか。

市川:メタバースで著名人を呼んでイベントを開催したときに、著名人とユーザー双方から、アバターになって話すことって楽しいという声をいただきました。リアルだったら緊張してしまってまともに話せないかもしれません。著名人も安全を確保しながらファンと会話ができて双方にメリットがあります。このような体験こそメタバースの本質的な価値だと思います。メタバースの中でアバター同士が楽しそうに会話している姿を見ると、人と人のつながりを作るお手伝いができてよかった!とうれしくなります。

市川さんが、「αU metaverse」で実現したいことは何でしょうか。

市川:メタバースでは、見ず知らずの人と肩書きを外してコミュニケーションができます。現在はリアルな声での会話ですが、ボイスチェンジャーや翻訳機能を搭載すれば、性別、年代、国を超えたフラットなコミュニケーションが可能になるでしょう。これは、今までにない全く新しいコミュニケーションのカタチだと思います。

今後の展望を教えてください。

市川:マイルームで遊べる機能や街中で楽しめる機能をどんどん追加していきます。集まるユーザーによってメタバースの楽しみ方も変わっていくと思いますので、その進化を楽しみたいですね。

「αU live」 世界につながるプラットフォームに!

「αU live」 世界につながるプラットフォームに!

「αU live」はどのようなサービスですか。

水田:スマホやPC上で楽しめるWeb3時代のエンターテインメントサービスです。これまでのダウンロード型アプリケーションとは異なり、コンテンツをクラウドに配置し、5G通信を活用することで、従来のメタバースやVtuberと比べて高品質でフォトリアルな3Dコンテンツを通じた新しい体験を提供します。

3月8日〜12日に開催したイベント「αU spring week 2023」では、特設会場にデモ端末を用意し、7人組ダンス&ボーカルグループユニット「BE:FIRST」の音楽ライブを楽しんでいただきました。ライブが始まる前にバーチャルな渋谷の街を散策したり、街中にうろうろしているBE:FIRSTメンバーを探したり、ボードに落書きをしたりできる「遊べるライブ」です。ライブは渋谷の街中で行われ、ボリュメトリックビデオで撮影した3次元映像による新しい体験を提供しました。現在は、この時の反響を分析してチューニング中。今後、商用リリースする予定です。

「αU live」

▲「αU live」

「αU live」はどのような着想から生まれたのでしょうか。

水田:コロナ禍で現実のライブが制限されたとき、数々のアーティストがリアルなライブを行えなかった代わりに、メタバース上でのライブエンターテインメントに挑戦した方も多くおられました。お客さまにとって、従来の配信ライブは映像を視聴することが中心の「視聴体験」でしたが、メタバース上ではスマホからお客さまが能動的に「参加する体験」になるため、楽しみ方に余白があります。

ただ、メタバースの可能性を感じる一方で、スマホ上での表現力や演出の限界も感じていました。そこで、高品質なコンテンツをクラウドに配置してスマホ上で手元のコンテンツのように自由に操作できれば、アーティストやクリエイターはより高い表現を行うことができ、お客さまはまったく新しい体験ができるのではないかと考えました。

「αU live」立ち上げに際し、感じていることをお聞かせください。

水田:「αU」のきっかけになった渋谷区との取組みやバーチャル渋谷の企画をはじめ、コロナ禍で大打撃を受けたエンタメ、アート、アパレル業界などさまざまなパートナーの方々と数年後の未来を考え、新たな価値を共創して生み出してきたひとつの成果だと思っています。

今後の展望をお聞かせください。

水田:エンターテインメントはお客さまが楽しんで初めて価値が生まれますが、同時にアーティストが楽しむことも大切です。お客さまとアーティストの仲介役として、これまでにない面白いもの、新しい価値を生み出せるよう取り組みたいと思います。「αU live」は、アーティストが世界を狙えるプラットフォームにもなっていくと思います。まだまだ分からないことばかりですが、だからこそ面白い。楽しみながら取り組んでいきます!

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