PROJECT

豊富な実績と「ベンチャーファースト」の精神で大手企業×スタートアップ企業の新たな事業共創を実現

2011 年に設立した KDDI∞Labo。
事業会社として、他社に先駆けて取り組んできたスタートアップ企業の事業支援。
どのような特⻑があり、どのような成功事例があるのか。
現場で携わってきたこそわかる苦労と、やりがいに迫りました。

MEMBER

  • 清水 一仁
    清水 一仁
    経営戦略本部
    ビジネスインキュベーション推進部
    オープンイノベーション推進G
    マネージャー
  • 鈴木 彬子
    鈴木 彬子
    経営戦略本部
    ビジネスインキュベーション推進部
    オープンイノベーション推進G
    主任
  • 大橋 麻生
    大橋 麻生
    経営戦略本部
    ビジネスインキュベーション推進部
    オープンイノベーション推進G

※掲載されている情報は、撮影当時のものとなります。

KDDI∞Labo では、
どういったことをやっているのでしょうか?

鈴木 彬子
鈴木

KDDI∞Labo では現在、大手企業とスタートアップ企業を結びつけて共に新たな事業を生み出す「事業共創プログラム〜∞の翼〜」と、大手企業が保有する施設や専門分野に関するデータ・知見などをスタートアップに提供し事業を支援する「MUGENLABO 支援プログラム 2020」を運営しています。年間を通じて様々なスタートアップ企業を公募し、KDDI を含む大手企業とのマッチングを行いながら、スタートアップ企業にしか持ち得ないテクノロジーやアイディア力と、大手企業の資産や多様な専門性を掛け合わせて、世の中にない新たな価値を共に創っていく国内随一のアクセラレータ※です。
※大手企業によるスタートアップ企業の支援プログラムのこと、または支援する企業(団体)のこと

清水 一仁
清水

設立当時は、携帯電話端末からスマートフォンへの移行期。KDDI には、これまで積み上げてきた携帯電話端末のビジネスが一変してしまう強い危機感がありました。
そんな課題意識から、スタートアップ企業に対する支援を通して共に次世代のビジネスを創っていこうというコンセプトで、KDDI∞Labo を立ち上げました。

大橋 麻生
大橋

スタートアップ企業の成⻑を支援する時に、私たちが大事にしているのが「ベンチャーファースト」という考え方です。スタートアップ企業が成⻑して独り立ちできるまでは、私たちがもっているノウハウや顧客基盤、資金などをとにかく「give」する。その過程の中で、スタートアップ企業が持っている最先端の技術力やアイディアが良い影響となって返ってくると信じて、スタートアップ企業と向き合っています。

清水 一仁
清水

KDDI∞Labo には、国内のアクセラレータ※としては他の事業会社に先駆けて取り組んできた歴史と実績があります。さらに特⻑的なのは、パートナー連合と呼んでいる日本の大手企業 46 社が、それぞれのミッションを背負いながら KDDI∞Labo のプログラムに参画し、スタートアップ企業との事業連携を進めていることです。パートナー連合の皆さんにも「ベンチャーファースト」の志をもって頂いているので、各社の資産を積極的に提供して頂いて、日本全体でスタートアップ産業を盛り上げています。

それぞれ 3 人は、
どのような役割を担っているのでしょうか?

清水 一仁
清水

私は、KDDI∞Labo の⽅向性を⽰し、スタートアップ企業の選考、パートナー連合との関係構築、事業共創プログラムと⽀援プログラムの企画など、全体を統括しています。

鈴木 彬子
鈴木

私たちは、スタートアップ企業の事業が前進するように、スタートアップと KDDIの各部⾨、そしてパートナー連合とをつなぐ、橋渡し的な存在です。そのため、いかにスタートアップ企業と⼤⼿企業が同じ⽬線で共創できるかが⼤きなポイントです。それを醸成するために、スタートアップ企業や⼤⼿企業に対して全体集会を⽉1回ペースで開催しており、私はその集会の企画運営を担当しています。

清水 一仁
清水

2018 年 12 ⽉には「KDDI DIGITAL GATE」とコラボして、ワークショップを実施しました。「KDDI DIGITAL GATE」は、⼤⼿企業が抱えている課題を KDDI のテクノロジーやノウハウを⽣かして解決するための開発拠点として、2018 年の 9 ⽉にオープンしました。通常この場所で⼤⼿企業向けに実施しているワークショップをスタートアップ企業の皆さんにも体験してもらい、新たな化学反応を⽣み出すことができました。

大橋 麻生
大橋

私は、KDDI∞Labo 主催のイベントの企画運営や PR 活動を⾏っています。イベントとしては、スタートアップ企業の⽀援になるような資⾦調達に関する勉強会や、最新技術を使った VR 空間内でのピッチイベントなど、注⽬度の⾼い企画を⾊々実施しています。もう1つの PR 業務でKDDI∞Labo の知名度を⾼めるため、SNS などでの情報発信に⼒を⼊れています。

スタートアップ企業と KDDI の各事業部(または⼤⼿企業)の橋渡し役として⼤切にしていることと、やりがいを教えてください。

清水 一仁
清水

私の場合は、スタートアップ企業の事業やサービスを最後まで信じて、伴⾛すること。そして、協業の可能性のある KDDI の事業部⾨や⼤⼿企業に対して、スタートアップ企業の魅⼒を的確に伝えること。それも⼀⽅的に伝えるのではなく、コミュニケーションの中で相⼿の課題を探りながらピースの⾜りない箇所を⾒つけ、⼿持ちのピースをあてはめていくようにアプローチします。やりがいは、もちろんそのピースがハマった時です。

鈴木 彬子
鈴木

⼤切にしていることは⼆つです。⼀つは、⼤⼿企業であってもスタートアップ企業のスピード感に合わせてもらうこと。そしてもう⼀つは、スタートアップ企業の現状を正しく把握すること。それによって、今スタートアップ企業に⾜りていない情報や資産を即座に補完することができます。スタートアップ企業の⽅たちと信頼関係が構築できたと感じられる瞬間が、⼀番のやりがいです。

大橋 麻生
大橋

私は、常にスタートアップ企業の⽬線を忘れずに進めていくことが⼤切だと思っています。⼤⼿企業への提案の際にも、スタートアップ企業の事業を⾃分の事業だと思って、必要な知識を⾝に付けて臨んでいます。そして、スタートアップ企業が進めているプロジェクトがある程度形になった時や、ニュースリリースなどに会社名やサービス名が載った時に、同じ⽬標が達成できたという気持ちで充実感が得られます。

これまでの成功事例を教えてください。

清水 一仁
清水

例えば、KDDI∞Labo の第 1 期⽣に「giftee(ギフティ)」というスタートアップ企業があります。LINE などから友⼈にちょっとしたギフトが贈れるソーシャルギフトサービスを展開しています。創業当初は、提携先を開拓するために営業に同⾏したりして、KDDI 社員が伴⾛できることはすべて⾏い、加盟店を獲得していきました。
今では au スマートパスという KDDI の主⼒サービスと事業提携を⾏うくらい⼤きく成⻑しました。

大橋 麻生
大橋

最近だと、2018 年に次世代プログラムに採択された「YAMAP(ヤマップ)」という企業が KDDI との事業共創をスタートしました。YAMAP は、電波が届かない⼭の中でも、無料で地図と現在位置を⾒ることができるアプリサービスを提供している会社です。KDDI 社員の1⼈が KDDI のドローン事業部の課題を解決するために、YAMAP のノウハウが活かせることに気づいたおかげでYAMAP は KDDI のドローン⼭岳救助⽀援システムの実証実験に参加することができました。

鈴木 彬子
鈴木

2011 年の設⽴から、KDDI∞Labo は 90 社のスタートアップを採択し、事業支援を行ってきました。
また、KDDI のファンドによる出資先は78社(10月5日時点)、そのうち 4 社が最終的に KDDI グループにジョインしています。

今後の⽬標や
実現したいことは何ですか?

清水 一仁
清水

この KDDI∞Labo の取り組みは、今は⾸都圏中⼼ですが、海外からも「参加できないか?」という問い合わせが増えています。今後は、そうしたニーズにも応えられるように、全国そして海外にもプログラムを広げていきたいと思っています。

鈴木 彬子
鈴木

私は、パートナー連合を含めた⼀体感を⾼めていきたいと思っています。具体的には「ベンチャーファースト」という考えをパートナー連合の皆さんへさらに浸透させるのが⽬標です。そのために全体集会で、⼤⼿企業との事業共創経験のあるスタートアップ企業の経営者をゲストにお招きし、これまでの取り組みを⾚裸々に語ってもらうようにしています。こうした地道な活動の積み重ねが、多くの事業化につながったと⾃負しています。

大橋 麻生
大橋

この KDDI∞Labo のアクセラレータ活動は 2021 年で 10 周年を迎えます。多くの卒業⽣を輩出してきましたが、卒業⽣同⼠あるいは卒業⽣と現役採択企業との連携には、まだまだ可能性を感じています。これほど、豊富な知⾒をもった卒業⽣との強固なネットワークがあるところは、他のアクセラレータにはない強みだと思います。これから参加しようというスタートアップ企業のためにも、卒業⽣同⼠のコミュニティを早急に創っていきたいと考えています。

揺るぎない信念をもった
アクセラレータ活動により、
スタートアップ産業を活性化し、
日本経済の成⻑を後押しする。

ベンチャーファーストの精神をもって、スタートアップ企業の事業を支援してきた「KDDI∞Labo」。KDDI の各部門や、日本の大手企業と連携しながら、スタートアップ企業との橋渡しを担うことで新たなビジネスを創出し、スタートアップ産業の活性化、ひいては日本経済の成⻑を後押ししています。その一端を担っているのは、間違いなく KDDI∞Labo の活動です。これまでの知見、卒業生のネットワークを生かし、国内随一のアクセラレータを今後全国、そして世界へ展開しようとしています。